「お気に入りの写真をおしゃれに飾りたい」
そんな方におすすめなのが、アート作品のような質感が楽しめる「キャンバスプリント」です。
実は100円均一で揃う材料だけで手作りできます。
今回は実際に100均の材料を使って、キャンバスプリントを自作してみました。
初心者でも意外と簡単。作業時間は2日(乾燥時間含む)、手を動かす時間は30分〜1時間ほどです。
ただ、手間や仕上がりを考慮して正直にお伝えすると、
手軽に本格的な画質を求めるなら、富士フイルムの「ウォールデコ」で作るのが圧倒的におすすめです。
スマホから簡単に注文でき、プロ仕様の美しい仕上がりが自宅に届きます。
それでも「DIYの工作を楽しみたい」「まずは試しに作ってみたい」「子どもと一緒に作りたい」という方には、ぜひこの記事を参考にしてください。
失敗しないコツも含めて詳しく解説していきます。
目次
必要な材料(すべて100均で揃います)

100円均一で購入したもの
- キャンバス(ダイソー)
- デコパージュ専用液
- デコパージュ仕上げ液
- 平ハケ
- メラニンスポンジ
すべて100均(ダイソー)で購入できました。
キャンバスは今回、220mm×160mm(2枚入り)のものを使用しています。
その他用意しておくもの
- 水を入れるコップ・カップ(メラニンスポンジを浸します)
- サランラップ(キャンバスの下に敷く養生用)
- はさみ(最後にキャンバスの縁部分を綺麗にする用)
- カッター(最後にキャンバスの縁部分を綺麗にする用)
キャンバスとは

キャンバスとは、亜麻や綿などの太い糸を平織りにした厚手の生地を木枠に張ったものです。
布の凸凹質感があるのが特徴で、この質感がアート作品のような雰囲気を生み出してくれます。
今回購入したのは、100円で2枚入りの薄めのキャンバスですが、本格的な木枠のキャンバスも100円均一で購入できます。こちらは200円でした。
手順1:写真を反転してプリントする

まず、コンビニのネットプリントで「普通紙」に、転写したい画像をプリントします。
プリント料金は、カラー(B5/A4/B4)で1枚50円です。
ここが最大のポイント!
必ず画像を反転してプリントしましょう。
転写する際に印刷面を下にして貼るため、反転しないと左右が逆になってしまいます。文字が入っている場合は特に注意が必要です。
また、用紙を写真用紙と間違えないようにしましょう。
コピー用紙と同じ「普通紙」でプリントしてください。
各社コンビニの普通紙プリントの画質比較は以下の記事にまとめています。

プリントサイズは、キャンバスより一回り大きめにしてください。
今回はA4サイズとB5サイズでプリントしました。
縁まできちんと転写するため、余白が必要になります。
手順2:プリントした用紙にデコパージュを塗る


プリントした用紙の印刷面に、デコパージュ専用液を塗っていきます。

平ハケを使って、均一に広げましょう。ムラがあると転写がうまくいかないので、丁寧に塗るのがコツです。

このイラストのように周りに白い部分がある場合は、白い部分まで塗らなくても大丈夫です。
手順3:キャンバスにもデコパージュを塗る

次に、キャンバス側にもデコパージュを垂らします。

たっぷりと塗るのが成功の秘訣。
今回はキャンバス2枚でデコパージュ1本を使い切るくらい、惜しみなく使いました。

均一に塗り広げます。このとき、キャンバスのサイド(縁)も必ず塗りましょう。縁まできれいに仕上げると、完成度が格段に上がります。
手順4:印刷面を下にして貼る

デコパージュを塗った用紙を、印刷面を下にしてキャンバスに貼ります。
なるべく気泡が入らないように、中央から外側へ押し広げるイメージで。
ここまで終わったら、必ず筆を洗います。(そのままにしておくとガチガチに固まって使えなくなります。)
手順5:完全に乾かす

完全に乾かすため、1日置きます。
ドライヤーを使って乾かしてもOKですが、次の剥離作業は完全に乾いてからでないと失敗するので注意しましょう。
完全に乾くと、上掲のように紙が平になり、凸凹がほとんどなくなります。
この状態になれば次の工程に進めます。
手順6:水で濡らして紙を剥離する

メラニンスポンジと、コップに入れた水を用意します。

用紙全体をスポンジで濡らすと、写真やイラストが浮き出てきます。

メラニンスポンジで優しく擦ると、紙がポロポロ剥がれ、キャンバスに転写された写真がはっきりと見えてきます。
この瞬間がちょっと感動的です。

イラストも同じように擦ります。
写真と比べると、イラストの方が発色が美しく仕上がりました。
手順7:縁も丁寧に仕上げる

キャンバスの縁の部分も必ず擦りましょう。
この一手間で、仕上がりのディテールが美しくなります。

全体の紙を剥がしました。かなりキャンバスらしい質感が出ています。

この段階で縁の余分な紙は大まかに切っておきました。縁は最後にもう一度チェックして、綺麗に仕上げます。
手順8:最後にデコパージュ仕上げ液を薄く塗る


最後に、デコパージュ仕上げ液を、ムラが無いように全体に塗ります。
このときも縁に塗るのを忘れないようにしましょう。
乾いたら、縁の余分な紙をカッターやハサミで整えます。
完成!
完成したキャンバスプリント
仕上げ液が乾いたら完成です!
100均材料で作ったキャンバスプリント、それなりの仕上がりにはなりました。
作業時間は乾燥時間を含めると2日がかりですが、「作る楽しさ」を味わえる時間でした。
完成したキャンバスプリント 拡大 写真
正直に言うと、画質はやはりコンビニのコピー機プリントのクオリティです。
写真の細部はやや粗く、色の再現性もプロ仕上げには及びません。
また、作業は丁寧に行いましたが、どうしてもムラになってしまう部分もあります。
完成したキャンバスプリント 拡大 イラスト
イラストの方は比較的きれいに仕上がりましたが、それでも微妙な色のグラデーションなどは再現しきれていません。
費用はいくらかかった?
220mm×160mm(2枚入り)のキャンバスで作った場合、100円均一の材料費は550円です。
セブンイレブンのコンビニの普通紙プリント料金が、カラー(B5/A4/B4)で1枚50円です。
合計650円(税込)でした。
ウォールデコキャンバスと比較



業者で作成したキャンバスプリントと自作のキャンバスプリントの仕上がりを比較してみましょう。
以前に作成した、富士フイルムの「ウォールデコ」(2,860円〜)を、今回作った100均キャンバスと並べてみました。
正直、画質の差はかなりあります。
100均DIY版は、単体で見ると「それなりに見える」レベルですが、ウォールデコは写真の細部まで鮮明。
特に人物の肌の質感や、ムラのないグラデーションの美しさが全然違いました。
作る楽しさはDIYにありますが、大切な家族写真や思い出の一枚を飾るならプロ仕上げの方がをお勧めします。
用途に合わせて選んでみてください。
まとめ
100均でキャンバスプリントを作る体験自体は、とても楽しいものでした。
物作りが好きな方なら、この工程を楽しめるはずです。
ただ、「お気に入りの写真をインテリアとして美しく飾りたい」という場合や、「作る時間がないので手軽に手に入れたい」場合、または「綺麗に仕上げられる自信がない」といった場合は、業者でプリント(富士フイルムのウォールデコ)の方が圧倒的に満足度が高いかなと思います。
写真の種類や予算に合わせて、自分にぴったりの方法を選んでみてくださいね。
この記事がキャンバスプリント制作の参考になれば幸いです。


