近年のスマホのカメラは画質も性能も格段に良くなっただけでなく、スマホのカメラ専用の外付けレンズもあり、より手軽に写真が楽しめるようになりました。
そんな中、スマホのカメラと一眼レフカメラの違いって何?と感じる方も多いかもしれません。
そこで今回は、Canonのフルサイズカメラ(EOS 6DmarkII)とiPhone SE第二世代を使って、一眼レフカメラとスマホのカメラを比較してみました。iPhone SEには、外付けレンズも使っての撮影もしています。
一眼レフカメラの購入を迷われている方やスマホのカメラの性能と一眼レフカメラの性能の違いが気になっている方は、参考にしてみてくださいね。
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この記事は、実務経験のあるプロカメラマン・フォトグラファーが監修しています。
一眼レフとスマホのカメラの違いとは?
一眼レフとスマホのカメラを比較するために、それぞれの機器の違いを解説します。
「イメージセンサー」の大きさが違う
一眼レフカメラとスマホのカメラ、一番の違いは「イメージセンサー」の大きさの違いです。
イメージセンサーとは、レンズから取り込んだ光を電気信号に変換して、データとして転送するカメラの心臓部です。
イメージセンサーが大きければ大きいほど、写真として取り込める情報の量が大きくなるので、より多くの光や画角などを取り込めます。
一眼レフカメラとスマホのカメラ、それぞれのセンサーサイズ(イメージセンサーの大きさのこと)は以下になります。
- 一眼レフカメラ・・・23.7mm×15.7mm(APS-C)、36mm×24mm(フルサイズ)
- スマホのカメラ・・・6.2mm×4.6mm
数字にすると、一眼レフカメラのセンサーサイズはスマホのカメラのおおよそ13倍です。
フルサイズ一眼レフカメラになると、約30倍もの差があります。
「ズーム」する構造が違う
一眼レフカメラとスマホのカメラでは「ズーム」するときの構造が違います。
- 一眼レフカメラでは、双眼鏡のようにレンズを動かしながら焦点距離を調節することで被写体を拡大する「光学ズーム」が採用されています。
- 一方、スマホのカメラは「デジタルズーム」といって、画像の一部を切り取って拡大する仕組みになっています。
光学ズームは被写体を自然に拡大することで画質に影響を与えることなくズームができますが、デジタルズームはズームすればするほど、画質が悪くなってしまいます。
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それぞれの機器のメリット
ここからはそれぞれの機器のメリットを確認していきましょう。
一眼レフカメラのメリット
一眼レフカメラを使用するメリットには、
- ボケ感のある写真が撮れる
- 暗いところでの撮影も強い
- 動きの速い被写体の撮影もぶれることなく撮影できる
などが挙げられます。
先ほど解説したように一眼レフカメラはスマホのカメラよりもセンサーサイズが大きいため、広い範囲での撮影が可能だったりより多くの光を取り込んだりできます。
そのため、背景にぼかしを入れた写真が撮れたり、夜景やイルミネーションのような暗いところでも明るくてきれいな写真が撮れるのです。
また、一眼レフカメラは「シャッタースピード」を自分で調節できます。
シャッタースピードを調節することで、子どもやペットなど動きの速い被写体もぶれることなく撮影することが可能です。
スマホのカメラのメリット
スマホのカメラを使用するメリットには、
- 手軽に持ち運べる
- 低価格で写真撮影が楽しめる
- すぐにSNSなどに投稿できる
などが挙げられます。
スマホのカメラは、一眼レフカメラよりも圧倒的に軽く、常に持ち歩いているため、「カメラを持ち運ぶということ」に負担を感じません。
さらに、スマホは普段の生活にも欠かせないアイテムなので、一眼レフカメラを購入するよりもお金をかけることなく写真撮影が楽しめます。
また、一眼レフカメラで撮影した写真をSNSなどに投稿しようとすると、撮影したデータをスマホに取り込む作業が必要になり、少し手間に感じる方もいるかもしれません。
その点、スマホのカメラで撮影した写真はすぐに投稿することも可能なので、SNSと写真を手軽に楽しめます。
フォトブックを作る際も、スマホからそのままフォトブックを作ることができます。
撮影した写真で比較しよう
実際に一眼レフカメラとスマホカメラを使って撮影した写真を比較してみます。
ここまでで解説したことを確認しながらそれぞれの写真も見比べてみてくださいね。
今回は以下の機器を使用しました。
- 一眼レフカメラ・・・EOS 6DmarkII(Canon)
- スマホカメラ・・・iPhone SE第二世代
- スマホカメラ・・・iPhone SE第二世代+外付けレンズ
ちなみに、使用した一眼レフカメラは「フルサイズ」に属します。
また、スマホカメラにも外付けレンズを使用しています。
使用したスマホカメラ専用の外付けレンズは、Amazon・楽天ランキング1位の「Selvim」です。
今回は、広角レンズ・魚眼レンズ・マクロレンズ・望遠レンズがセットになったものを購入したので、それぞれのレンズを着用して撮影しました。
一眼レフで撮影 |
スマホカメラ |
スマホカメラ |
スマホカメラ +広角レンズ |
スマホカメラ +望遠レンズ |
スマホカメラ +魚眼レンズ |
スマホカメラ +マクロレンズ |
---|---|---|---|---|---|---|
CANON EOS 6DmarkII 70-200 / F2.8 |
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魚眼+ズーム |
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詳しく | 詳しく | 詳しく | 詳しく |
一眼レフ+広角レンズで撮影
まずは一眼レフカメラ(CANON EOS 6DmarkII)で撮影した写真です。
レンズには広角レンズに部類される、35mm / F1.8(tamron)を使用しています。
画角の広さは焦点距離によって変わるので、今回は「ボケ感」を比較してみましょう。
こちらの写真はボケ感がしっかり出やすいように開放値で撮影しています。
ピントを合わせたアナベルが際立つように、背景がしっかりとボケています。
アナベルのさらに後ろには「玉ボケ」も見られますね。
また、前方にある咲き始めのアナベルで前ボケも作ってみました。
一眼レフ+望遠レンズを使って撮影
こちらの写真は一眼レフカメラ(CANON EOS 6DmarkII)に望遠レンズを使って撮影しました。
レンズには70-200 / F2.8 (tamron)を使用しています。
焦点距離は200mm、F値は開放値で撮影しています。
望遠側で撮影することで圧縮効果を出してみました。
ちなみに圧縮効果とは、遠くの被写体を大きく写すことで手前にある物体との遠近感をなくすこと。
花畑などに行くとお花の密度が増えたように見えるので、圧縮効果がよりわかりやすいかと思います。
スマホカメラで撮影(AFロック)
次にスマホカメラで撮影した写真を見ていきましょう。
まずはiPhone SE 第二世代のみで撮影した写真です。
被写体を長押しし、AFロックでピントを合わせて撮影しました。
スマホカメラで近づいて撮影(AFロック)
こちらは被写体であるアナベルに思いっきり近づくことで、少しでも背景にボケ感が出るように撮影しました。AFロックでピントを合わせて撮影しています。
通常通りで撮影したときよりも背景にボケ感を作ることはできますが、一眼レフカメラのぼかしと比べると、いわゆる被写体が引き立つようなきれいなボケ感を演出することはできません。
スマホカメラに外付けレンズを付けて撮影
次に、スマホカメラに外付けレンズを付けて撮影してみました。
広角レンズ、魚眼レンズ、マクロレンズ、望遠レンズ、それぞれ確認してみましょう。
スマホ用レンズはこちらを使用しています。
スマホカメラ+スマホ用外付け広角レンズを着用して撮影
スマホカメラに広角レンズ(Selvimスマホ用レンズセットの広角レンズ)を付けて撮影しました。
レこンズは装着しましたが、スマホカメラを構えている位置や被写体の場所などの距離感はスマホカメラのみ、通常モードでの撮影と一切変わっていません。
画角が広がることで、写真の右奥の方に白い建物や電柱が映りますね。
ボケ感に関してはスマホカメラのみと変わらないでしょう。
スマホカメラ+スマホ用外付け魚眼レンズを着用して撮影
次にスマホ用魚眼レンズ(Selvimスマホ用レンズセットの魚眼レンズ)を使って撮影しています。
iPhone SEにレンズを装着しただけの状態ですと、ケラレ(レンズの映り込み)が発生してしまいます。
スマホカメラ+スマホ用外付け魚眼レンズ+ズーム
試しに、ケラレが発生しない程度にズームして撮影してみました。
ズームすると魚眼レンズ特有の「ゆがみ」がほとんど見られません。
強いて言えば、画角の両端の方でしょうか。
今回はアナベルを被写体にして検証したので、あまり魚眼レンズの効果を実証できませんでしたが、建物などを被写体にしたら魚眼レンズのゆがみを体感できるかもしれません。
スマホカメラ+スマホ用外付けマクロレンズを着用して撮影
こちらはiPhone SEにマクロレンズ(Selvimスマホ用レンズセットのマクロレンズ)を装着しました。
花びらにある花脈まではっきり見えますね。
スマホカメラに マクロレンズ装着 |
スマホカメラのみ |
AFロックでピントを合わせて撮影することで、ピントがずれることもなく花びらの質感まで伝わる写真が撮れました。
画質はもちろん、前後のぼかしもきれいですね。
スマホカメラ+スマホ用外付け望遠レンズを着用して撮影
最後に、スマホのカメラに望遠レンズ(Selvimスマホ用レンズセットの望遠レンズ)を取り付けて撮影した写真を見てみましょう。
望遠レンズとして、遠くにある被写体にしっかり近づくことができていると思います。
スマホのカメラでズームを4倍と比較
スマホカメラに 望遠レンズ装着 |
スマホカメラのみ 4倍ズーム |
右の写真は、スマホカメラのみで、4倍ズームにして、同じ場所からカメラを構えています。
二つの写真を比べてみると、スマホのカメラのみで4倍ズームした写真は、花びらの形がわからなく全体的にギザギザした画質ですが、望遠レンズを装着して撮影した写真の方は、中央部分のアナベルの花びらの形がわかるくらい拡大されています。
しかし、やはり一眼レフカメラに望遠レンズを取り付けた写真と比べると、背景のボケ感も低く、望遠レンズ特有の圧縮効果もあまりきれいではありません
スマホ(iPhone)の「ポートレート機能」を使って撮影
ポートレート機能といえば、一眼レフで撮影したような背景にボケ感のある写真が撮れる、と言われていますよね。
ポートレートモードでの撮影はiPhone 12miniを使いました。
ちなみに、iPhone SEは人物を被写体とした場合のみ適応するようです。
後ろ姿や表情のわからない横顔、人物以外の撮影では使用できないので、注意してくださいね。
それでは早速、ポートレートモードで撮影した写真をみてみましょう。
まずは比較のために、iPhone 12miniにて、ポートレートなしで撮影した写真を確認しましょう。
アナベルにピントをしっかり合わせて撮影するように、AFロックをして撮影しました。
よく見ると多少は背景にボケ感があるように感じますが、奥にある木や道、家がはっきり見えますね。
こちらはポートレートモードを使って背景にボケ感を出すように撮影しました。
被写体となるアナベルを違う花と変えていますが、被写体であるアナベルの後ろにある花や木がしっかりボケていますね。
こちらは背景に玉ボケを作るように意識して撮影してみました。
アナベルの奥にある葉が玉ボケになっていることがわかりますか?
ポートレートモードを駆使して手前に前ボケ、背景にもボケ感を作り、被写体であるアナベルをぼかしとぼかしで挟んでみました。
前方にあるアナベルを前ボケとしてある程度、ぼかすことはできていますが、一眼レフと比べるともう少し前ボケにぼかしがあっても良さそうですが、使い方をマスターすることで一眼レフのように「ボケ感」のある写真が楽しめるのではないでしょうか。
まとめ
今回は、一眼レフカメラとスマホのカメラの違いをさまざまな観点から比較してみました。
比較してみるとどちらの機器にもメリットとデメリットがあり、一概にどちらの方が良い、とは言い切れません。
どんな写真を撮りたいのか
何を撮りたいのか
ここ最近はスマホ用外付けレンズもいろいろな種類のレンズが販売されているので、スマホのカメラでもいろんな撮影が楽しめます。
- 細かいことにはこだわらず、手軽に写真を楽しみたい、という方はスマホのカメラでも良いと思います。
- レタッチを楽しんだり、超高画質な写真が撮りたい方、作品として写真撮影を楽しみたい、持ち歩きが苦にならない場合は一眼レフカメラがおすすめです。
二つのカメラを撮影シーンに合わせて使い分けても良いでしょう。
ぜひ、今一度写真撮影に求めていることを整理した上で検討してみてはいかがでしょうか。
▼一眼レフカメラを短期レンタルで試してみたい方はこちらの記事をご参考に