生後1ヶ月ごろの赤ちゃんを連れて神社にお参りをし、赤ちゃんの健やかな成長をお祈りする儀式として知られている「お宮参り」。
赤ちゃんが生まれて最初のイベントなので、思い出に残る写真をたくさん撮りたい!と意気込むパパやママも多いのではないでしょうか。
お手持ちのスマホカメラや一眼レフカメラを使ってご自分で撮影するには、どうすれば素敵な写真が撮れるのか、撮影のコツを知っておくとセルフ撮影でも納得のいく写真が撮れるでしょう。
そこでこの記事では、我が子のとびきり可愛い姿が撮影できる、お宮参りの写真撮り方について解説いたします。
神社でのお宮参り写真撮影のコツに加え、お宮参り撮影におすすめの小物や自宅で撮影できるスタジオ風のお宮参り写真の撮り方も合わせてご紹介いたします。
この記事は、実務経験のあるプロカメラマン・フォトグラファーが監修しています。
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お宮参りの撮影シーン
お宮参りでの写真撮影では撮っておきたいシーンがたくさんあります。
事前に撮っておきたいシーンをまとめておくことで、当日も迷うことなくスムーズに撮影を終えられますよ。
早速、お宮参りで撮影しておきたいシーンについてご紹介します。
自宅で準備している様子や移動のシーン
神社での写真だけでなく、自宅で準備している様子や車での移動シーンも合わせて撮影しましょう。
1日を通して撮影することで、撮影した写真にストーリー性が出て後から見返したときにより思い出深い写真が仕上がります。
とくに、アルバムを作るときには準備や移動のシーン、帰宅してホッとしているシーンまでバランス良く乗せることで1日の思い出がぎゅっと詰まった特別な一冊が作れますよ。
準備のシーンを撮影する際には、日の丸構図や三分割法構図で少し離れたところから撮影したり、壁や扉などを前ボケにして赤ちゃんを覗き見しているようなイメージで撮影すると温かい雰囲気の写真が撮れます。
前ボケはぼかしたいものにグッとカメラを近づいて、奥にいる被写体にピントを合わせることで簡単に作れます。
赤ちゃんのソロショット
お宮参りでは積極的に赤ちゃんのソロショットを撮りましょう!
寝かせられるスペースがあれば布や産着の上に寝転がらせて撮影しても良いのですが、ほとんどの神社ではそれが難しいことも。
赤ちゃんのソロショットを撮るときには、抱っこしている人の肩の方から赤ちゃんを覗き込む形で撮影すると良いですよ。
さらに、赤ちゃんにゲップさせるような抱き方で抱っこし、肩から顔を出しているところでシャッターを切るのもおすすめです。
どちらも赤ちゃんの可愛さを引き立てるようにシンプルな三分割法構図や二分割法構図、日の丸構図を合わせると良いでしょう。
日の丸構図を使う場合は、少し離れたところから撮影しフレーム内に余白を作ってあげるとバランスの良い写真が撮れます。
家族での集合写真
セルフ撮影で忘れがちなのが、参加する家族全員の集合写真。
三脚やセルフタイマーを使っての撮影が手軽ですが、神社によっては三脚を立ててはいけない場合もあるので、周りの方に撮影をお願いしましょう。
撮影をお願いする前に、どこ背景にして撮りたいか、どんな構図で撮りたいのか、などを決めておきます。
例えば、建物を背景に撮影する場合は背景の建物全体が写るように、建物から離れた位置に並びましょう。
並ぶ時には、全員にピントが合うようにできる限り横一列に並びます。
兄弟など、子どもを前列に並ばせたいときには、後ろに立つ大人とぴったりくっつき、前後で距離が離れないように意識しましょう。
一度ご自身でファインダーを確認して問題がなければカメラの設定値を調節してシャッターを押すだけでOKの状態にしておきます。
ここまで準備した上で周りの方に、「ここでシャッターを切ってください」とお願いしましょう。
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同じシーンでも切り取り方を変えて撮影
構図も、日の丸構図や三分割法構図など基本の構図の中だけでも変化をつけて撮影するのがおすすめです。
また、アングルも真正面だけでなく、斜め上や後ろ、真上からの撮影など変化をつけて!
切り取り方や構図、アングルを変えて撮影すると写真のバリエーションが増えて、より良いと思う写真が撮れることでしょう。
お宮参りの写真におすすめの背景
お宮参りの写真を撮影するときには、背景を入れて写真を撮ることでワンランク上のお宮参り写真が撮れます。
お宮参りの雰囲気を引き立てるような背景の中で、できる限り人や不自然なものが映り込まないように意識することがポイント!
フレーム内をシンプルに整えることで、グッと素敵な写真に仕上がりますよ。
ここでは、具体的にどこを背景にして撮影すれば良いのかご紹介いたします。
「鳥居」を背景にして写真を撮る
神社の雰囲気がはっきり伝わる「鳥居」での撮影は絶対に外せないショット。
鳥居よりも少し前に立って赤ちゃんを抱っこし、被写体と撮影する人もある程度距離を取って撮影します。
鳥居全体を、できれば少し空が入るように意識して撮影すると見栄えが良くなりますよ。
縦写真で鳥居をバックにして真ん中に被写体の立った日の丸構図にしたり、あえて鳥居全体は写さず、鳥居の片サイドに寄せた三分割法構図もおすすめです。
「御社殿(神社の中心となる建物)」を背景にして写真を撮る
神社の中心になる建物「御社殿」を背景にして撮影してみましょう。
御社殿は、それぞれの神社によって雰囲気が違ったり、神社の名前が書かれていることも多いです。
そのため、ぜひ積極的に撮影してもらいたいポイントの一つ。
長い階段を使った写真や御社殿に続く参道に沿って歩いてもらうと御社殿を背景にした写真が撮れますよ。
被写体はできる限り真ん中で、左右対称になるように撮影する構図が正解!(シンメトリー構図)
ただし、人が多いと迷惑になる可能性もあるので、人が集まる御社殿や参道で撮影したい場合は朝早くや人があまりいないところでサッと撮りましょう。
「絵馬」を背景にして写真を撮る
神社の雰囲気を感じやすい「絵馬」を背景にしての撮影も良いですよ。
それぞれの神社によって絵柄の異なる絵馬を背景にすることで、どこの神社で撮影したのか、後から見返した時にわかりやすいです。
絵馬を背景にした写真は、奥行きの感じられる視線誘導構図で撮影してみましょう。
同じ構図でも体の向きを変えるだけでバリエーションが増えるので、絵馬に背を向けて赤ちゃんの顔がわかるように立ってみたり、絵馬の方を向いて良いですね。
また、お宮参りで絵馬を書く場合は、あえて人物は入れず書いた絵馬をメインに撮影するとお宮参りのフォトブックを作る時にアクセントになりますよ。
「緑」を背景にして写真を撮る
自然が豊かな神社では、緑が綺麗な場所を背景にしての撮影もおすすめです。
自然の中で撮るお宮参り写真は、まるで絵に描いたような素敵な写真に仕上がりますよ。
単焦点レンズを使って背景をボカしたり、望遠レンズで玉ボケを作って背景をキラキラ輝かせても素敵です。
また、低い木があれば葉っぱを前ボケにしても!
トンネル構図やサンドイッチ構図を使って、ぼかした枝・葉っぱで被写体を挟んでみましょう。
★一眼レフカメラ、ミラーレスカメラで作る背景のボカし方
一眼レフカメラで背景をぼかすには、絞り値優先モードを使いましょう。
- ISO感度は晴れの場合はISO100
- 曇りや日陰での撮影はISO200〜400、F値を最小値に設定してください。
明るさが足りない場合は、露出補正をプラスにして調節します。
また背景がキラキラ輝く玉ボケの写真は、逆光側で葉っぱの隙間から光が漏れているような場所を背景にして撮影します。
望遠レンズを使い、背景をぼかす時と同じ設定値に。
できる限り被写体と距離を取り、レンズを望遠側(一番大きな数値)にして撮影します。
望遠レンズの圧縮効果を利用して玉ボケ写真を撮りましょう。
ちなみに、被写体と背景にしたいものが近すぎるとあまりぼけないので、できる限り被写体と背景で距離を撮るのがおすすめです。
★スマホカメラで作る背景のボカし方
スマホカメラ(iPhone)で背景をぼかすには、ポートレートモードを使いましょう。
参考:「ボケ」はスマホで撮れる?おしゃれな「ボケ」の種類とスマホの撮影方法!
お宮参りの赤ちゃんを可愛く撮るポイント
赤ちゃんの写真を可愛く撮るにはいくつかのポイントがあります。
ここではお宮参りの写真を素敵に撮るコツに加え、赤ちゃんの負担を減らしたセルフ撮影の方法をお伝えします。
赤ちゃんの機嫌の良い状態を作る
赤ちゃんに負担をかけないように撮影を進めることと、良い表情を残すために、あらかじめ赤ちゃんの機嫌を取ってあげましょう。
お宮参りの時間を逆算して、事前にしっかり寝かせてあげたりお腹を満たし、赤ちゃんにとって快適な状態を作り出してあげます。
また、お宮参りのスケジュールを赤ちゃんの生活リズムに合わせてあげると良いでしょう。
さらに、赤ちゃんのお気に入りのおもちゃを持っていくのおすすめです。
中でも音のなるおもちゃは、撮影中に赤ちゃんの気が紛れたり目線誘導にもなりますよ。
赤ちゃんが起きている間に撮影する
せっかくの記念撮影なので、できる限り赤ちゃんが起きている時間に合わせて撮影しましょう。
お宮参りでは、ご祈祷時間や待ち時間が長い場合も多く、赤ちゃんが疲れてぐずったり寝てしまうことも少なくありません。
そのため、赤ちゃんの現地に着く前、または到着後すぐに赤ちゃんの機嫌を取ってあげて、すぐ撮影しましょう。
ご祈祷前に撮影してしまうと1日がスムーズに流れますよ。
どのように撮影したいかのイメージだけでなく、当日のスケジュールもシミュレーションしておくと安心して当時を迎えられますね。
連写機能を使う
まだ指示が通らず、表情がコロコロ変わる赤ちゃんの撮影では、連写機能を使った撮影がおすすめです。
連写機能を活用することで、ベストショットを逃さずに撮影できますよ。
★一眼レフカメラ、ミラーレスカメラの場合
カメラの設定を「連写モード」にします。
ピント合わせはオートフォーカスを使うことで、被写体のシャッターチャンスに集中できますよ。
★スマホカメラの場合
スマホカメラ(iPhone)では、シャッターボタンを長押しすると連写できます。
フラッシュはNG!
お宮参りに限らず、赤ちゃんの写真を撮るときにフラッシュ撮影はNGです。
一眼レフカメラやスマホカメラから出るフラッシュの光は、赤ちゃんにとって刺激が強く、びっくりしてしまうのです。
また、フラッシュを使って撮影すると光の加減により、赤ちゃんの持つふんわりとした雰囲気を演出できなくなります。
そのため、できる限り明るい場所で、自然光の光のみで撮影できる場所で写真を撮りましょう。
ちなみに、室内のような明るさの足りないような場所での撮影は、ISO感度やF値などで明るさを調整すると良いです。
小物と一緒に撮影
お宮参りの雰囲気を出した写真が撮りたい場合は、扇子やでんでん太鼓、紐銭などのお宮参りをイメージできるの小物とも一緒に撮影してみましょう。
赤ちゃんを抱っこしていない大人が小物を持って赤ちゃんと一緒に写したり、正しい場所に取り付けて撮影しても!
もし、赤ちゃんを寝かせられるスペースがある場合は、赤ちゃんを寝かせてその周りにバランス良く小物を置いて撮影しても良いでしょう。
小物を使った撮影は、とくにスタジオ風の写真を撮るおうちフォトで使えますよ。
おうちで撮るスタジオ風お宮参り写真の撮り方
生後1ヶ月程度の赤ちゃんのソロショットを神社で撮影することは少し難しいですよね。
そんなねんね期の赤ちゃんのソロショットは、自宅でお宮参りスタジオ風の写真を撮りましょう。
スタジオでプロカメラマンに撮影してもらったかのような写真をおうちで撮影するには、いくつかのポイントがあります。
光の加減や背景、赤ちゃんの寝かせ方を意識すると、プロカメラマンが撮影するスタジオ写真にグッと近づけられますよ。
一つずつ解説していきますね。
外の光が入りやすい場所で撮影しよう
自宅での撮影でも、自然光が入りやすい窓際で撮影しましょう。
写真の仕上がりは「光の状態」が大きく左右します。
そのため、窓から入る自然光をほど良く取り込むことで、赤ちゃんの可愛さを存分に引き立てたふんわりとした雰囲気の写真が撮れますよ。
できれば上から光が入るような小さな窓ではなく、横からの光が入る大きめの窓の近くで撮影するのがマスト!
万が一光が強く入りすぎてしまう場合は、白いレースのカーテンを重ねて明るさを調整すると良いです。
撮影する時間帯や窓の位置、その日の天気によって変わるので、様子をみて調整してみてくださいね。
ちなみに、室内でふんわりとした写真を撮影する場合のカメラのおすすめ設定値は以下になります。
★一眼レフカメラ、ミラーレスカメラの場合
一眼レフカメラ(ミラーレスカメラ)の場合は、絞り値優先モードで撮影しましょう。
ISO値は400〜3200、F値は一番低く設定します。
明るさが足りなかったり、被写体の顔が暗く感じる場合は、露出補正をプラス側に補正して調整すると良いです。
★スマホカメラの場合
スマホカメラ(iPhone)の場合は、「ポートレートモード」の撮影がおすすめです。
撮影時に背景が明るすぎて顔が暗くなる場合は、露出補正機能を使って写真を明るくしましょう。
できる限り背景はシンプルに整える
自宅での撮影もロケーション撮影と同じように、できる限り背景はシンプルに仕上げ、主役である赤ちゃんを引き立てましょう。
白いタオルやシーツなど、白い布の上に赤ちゃんを寝たり、寝相アートを作ってあげるのもおすすめです。
白い布の上に赤ちゃんを寝るとレフ板代わりにもなるので、自然光を反射させて赤ちゃんの顔まわりを明るく見せてくれますよ。
大きめのビーズクッションがあると良い!
もしも自宅に大きめのビーズクッションがある場合は、ビーズクッションの上に寝かせてあげましょう。
ビーズクッションの上に白い布を敷き、その上に赤ちゃんを寝かせてあげると首の座っていない赤ちゃんもしっかり固定されます。
また、お顔をほど良く上げられるので、仰向けで撮影するより可愛らしく撮影できますよ。
小物を使って撮影
おうちで撮るお宮参りフォトでは、お参りと同じように産着を着せたり、小物を合わせて撮影しましょう。
産着を着せ、よだれかけと帽子を合わせることで一気にお宮参りらしい雰囲気が演出できますよ。
三分割法構図で撮影したり、赤ちゃんを真ん中にした日の丸構図を撮影してみましょう!
さらに、額縁に入れた命名書と一緒に撮影したり、あえて産着の上に寝かせて全身のサイズ感がわかるように撮影するのも成長がわかるのでおすすめです。
寝相アートにしてみる
成長が比較しやすい寝相アートを使ったお宮参り写真も良いですよ。
白い布の上に、産着やでんでん太鼓や犬張子などお宮参りの小物を使って、寝相アートを作ってみましょう。
踏み台などを使って高い位置で、真上から撮影すると作成した寝相アートが綺麗に写ります。
まとめ
今回はお宮参りの写真の撮り方について、撮影シーンや撮れ高の上がる撮影ポイント、おうちフォト撮影のやり方などを合わせて解説しました。
お宮参りのセルフ写真撮影についてイメージはつきましたでしょうか?
事前にスケジュールを立てたり、赤ちゃんの機嫌を取っておいたりすることで、お宮参りの写真撮影がスムーズに進みます。
合わせて、撮影シーンのイメージトレーニングをしておくと満足のいく写真が撮れるでしょう。
ぜひ記事を参考にして素敵なお宮参り写真を撮影してくださいね。
お宮参りのフォトブックの作り方はこちら