この記事は、実務経験のあるプロカメラマン・フォトグラファーが監修しています。
スマホカメラの性能がどんどん良くなったことにより、様々な種類のスマホカメラ用レンズが販売されるようになってきました。
そんな中でも、被写体にグッと近づいて撮影することができる「スマホ用のマクロレンズ」は、撮影する写真の表現に幅が出ることから、使ってみたい、と気になっている方も少なくないのではないでしょうか?
そこで今回は、スマホ用マクロレンズの比較をしてみました。
手軽に購入しやすい100均のスマホ用マクロレンズをはじめ、アプリや一眼レフ用のマクロレンズまで、全部で5種類のマクロ撮影を比較しています。実際に購入を検討している方や、スマホ用マクロレンズってレンズだろう?と気になっている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
スマホ用マクロレンズとは?
スマホ用マクロレンズとは、スマホレンズに装着できる外付けマクロレンズのこと。まずは、マクロレンズの特徴を確認してみましょう。
マクロレンズってどんなレンズ?
マクロレンズというのは、被写体を大きく撮影できるレンズのこと。
通常の撮影では被写体に近づきすぎると、ピントが合わず、上手く撮影できないこともありますよね。これは、どのレンズ(スマホカメラ)にも最短撮影距離という、「これ以上被写体に近づいてしまうと、ピントが合いませんよ」という、ピントの合う最短距離が決まっているから。
マクロレンズはほかのレンズ(スマホカメラ)よりも最短撮影距離が短いので、思いっきり被写体に近づいて撮影することができるのです。
また、マクロレンズの特徴のひとつに
「被写界深度が浅くなる」
という点が挙げられます。
被写界深度は、レンズの位置と被写体の距離感が近ければ近いほど、浅くなります。
「浅くなる」ということは、ボケが大きいということ。
ちなみに、花や昆虫などを撮影するときに使うと、目で見ているもの以上に質感などを感じられるので、実際に見た印象とは違う、新たな世界を楽しむことのできるレンズなんですよ。
スマホカメラでもマクロ撮影が楽しめる!?
iphone13で撮影 | iPhone13+マクロレンズで撮影 |
スマホカメラの性能がどんどん進化していることから、ここ最近ではいろいろな種類のスマホカメラ用のレンズが発売されています。「マクロレンズ」もその中のひとつ。
スマホのカメラレンズに固定するだけで使える外付けレンズなので、以下のメリットがあります。
- 持ち運びやすい
- 一眼レフ用のマクロレンズに比べて低価格で購入できる
基本的には、レンズに付属されたクリップをスマホのカメラレンズに合わせて固定したら、クリップにレンズを装着することで、どなたでも簡単に使用できます。
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スマホ用マクロレンズにおすすめの被写体
スマホ用マクロレンズを使うときには以下の被写体がおすすめです。
- 一輪の花や植物
- 昆虫
- 水滴
- 身近な小物
- 美術品や歴史的建造物
- 赤ちゃんのパーツフォト
ちなみに、スマホ用マクロレンズを使って撮影する時には、必ずピントを合わせたい場所を長押しし、AF固定(iPhone)してから撮影することがポイント!
AF固定することで、ピン甘やボケてしまったり、ということを防ぎ、被写体の質感がよりくっきりと表現されます。
スマホ用マクロレンズを比較してみよう
スマホ用マクロレンズというのは、実はいろいろなメーカーで購入することができます。
今回はどなたでも手軽に試しやすい「ダイソー」「キャンドゥ」で購入したスマホ用マクロレンズと、Amazon・楽天ランキング1位のスマホ用レンズセット内に含まれているマクロレンズを比較してみました。
屋外では青いパンジーの花を、室内では、人形を被写体にして撮影してみました。
パンジーの花は、あえて水滴も一緒に写すことで、質感をわかりやすく表現しています。
スマホ用マクロレンズ装着なし
まずは比較のために、スマホ用マクロレンズを装着せず、ノーマルカメラで撮影しました。
iPhone13のスタンダードレンズ(通常モード)で撮影しています。
被写体にピントが合うギリギリの場所まで近づいて撮影してみました。
それでも、被写体から5cm程度離れて撮影しています。
スマホ+マクロレンズ(キャンドゥ)
次に、キャンドゥで購入したマクロレンズを使って撮影してみました。
キャンドゥのマクロレンズは、広角レンズとセットで販売されています。
被写体から2cm程度のところまで近づいて撮影しました。
水滴の輪郭が写し出され、背景もしっかりとボケていますね。
ただ、少し全体的にぼやっとした印象を受けます。
スマホ+マクロレンズ(ダイソー)
次に同じく100円均一の商品から、ダイソーの「スマートフォンレンズセット」という商品に含まれてる、マクロレンズを使って撮影します。
こちらのレンズも被写体から2cm程度のところまで近づいて撮影しました。
キャンドゥのマクロレンズと同様に、水滴の輪郭がはっきりと撮影しながらも背景がしっかりとぼかされています。
屋外写真だとわかりにくいですが、室内での人形の写真を見比べてみると、キャンドゥのマクロレンズよりも、全体的なぼやっとした印象は少ないように感じられます。(どの撮影でも人形の瞳にAF固定しています。)
ただ、キャンドゥのマクロレンズも、ダイソーのマクロレンズも、写りに関してはそこまで大差はないかな、という印象です。
スマホ+マクロレンズ(Amazon購入したもの)
次に比較対象となる、Amazon・楽天ランキング1位のスマホ用レンズセット「selvim」
内に含まれているマクロレンズを装着してみました。
こちらは、被写体から2cmまでグッと近づいて撮影しています。
花の質感や水滴の輪郭がはっきりと表現されていますね。
マクロ撮影をしたいときにも十分に活用できるのでは、と感じます。
スマホアプリのマクロレンズはどう?
ここまで、スマホカメラの外付けマクロレンズについて紹介してきましたが、拡大写真が撮れる「アプリ」もあります。
外付けレンズの比較をしてきましたので、スマホアプリでも同じように比較してみましょう。
今回は「目に優しいルーペ 4K – 高画質 虫眼鏡アプリ」というアプリを使ってみました。
こちらのアプリは、小さな文字を拡大して見ることができます。
無音でのシャッター機能があるので、この機能使って撮影した写真を見ていきましょう。
他のマクロレンズを使った撮影と同じように、被写体にグッと近づいて撮影を試みてみましたが、ピントが合いませんでした。
被写体との距離はグッと近づいて5cm程度です。
通常のスマホ撮影と距離感は変わりません。
ちなみに、こちらのアプリはズーム機能を使って被写体に近づいて撮影することができます。
アプリを使って最大限のところまでズームしてみた写真を見てみましょう。
ピントを合わせるどころか、全体がボケてしまいました。
それぞれのスマホ用マクロレンズと、アプリを使ってみた印象は、アプリを使った撮影は、肉眼で見るよりは至近距離での撮影ができるものの、マクロレンズの代用としては難しいように感じました。
一眼レフ+マクロレンズとの違い
スマホ用マクロレンズと、一眼レフ用マクロレンズを比べると、やはり画質の良さや、マクロレンズ特有のシャープな写り具合は劣ってしまいます。
- 標準(50~60mm)
- 中望遠(90~135mm)
- 望遠(200mm~)
焦点距離の違うレンズを使うことで、被写体に合わせてレンズを変えたり、中望遠、望遠のマクロレンズを使った撮影ですと、近くで撮影することが難しい植物の撮影もできます。
スマホ用マクロレンズを一眼レフ用マクロレンズを比べてしまうと、画質の良さが劣ってしまうだけでなく、被写体に合わせたレンズ選びができない、というデメリットがあります。
とはいうものの、手軽にマクロ撮影を楽しむ、という点ではスマホ用マクロレンズで十分かと思います。
スマホ用マクロレンズでしたら、持ち運びも装着も手軽なので、使い勝手も良いです。
まとめ
今回は、スマホ用マクロレンズについて検証しました。
今回比較したスマホ用マクロレンズの中では、画質の良さやマクロレンズならではのシャープな写り具合など、Amazon・楽天で買えるスマホ用レンズセット「selvim」に含まれているマクロレンズが一番よかったです。
ただ、初めてのマクロ撮影に挑戦してみたい、という方や仮にレンズを購入しても使い続けるかわからない、という方は100円均一のスマホ用マクロレンズを試しに購入して、しばらく使い続けても良いのではないでしょうか。
100円均一で購入できるほかの種類のスマホ用レンズと比べても、マクロレンズは比較的、質が良いのでは、と感じています。
スマホ用マクロレンズを使うことで、被写体に思いっきり寄れるので、目で見た印象とは違うフォトジェニックな世界が楽しめます。