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シャッタースピードとは?目安を解説!一眼レフ・スマホカメラの場合

今回は「シャッタースピード」について、役割や数値の決め方はもちろん、シャッタースピードを実践的に学べるシャッタースピード優先モードについてご紹介いたします。
シャッタースピードをマスターすることで、写真の表現の幅がグッと広がりますので、ぜひマスターしてくださいね。

 

この記事は、実務経験のあるプロカメラマン・フォトグラファーが監修しています。  

「シャッタースピード」ってなに?

「シャッタースピード」とは、シャッターを切る速度のことを言います。
カメラの構造として、シャッターボタンを押すことで開いたシャッターを閉じますが、この開いたシャッターが閉じるまでの時間のことを数値化したものです。

カメラに取り込む光の量は、F値ISO感度などの項目を調節することで光の量をコントロールしていますが、
シャッタースピード(SSとも表示される)」も、F値ISO感度と同じカメラの設定値の一つです。

カメラは、シャッターが開いている間に、光を取り込むような仕組みになっているので、開いたシャッターが閉じるまでの時間によって、カメラが光を取り込める時間・取り込める光の量が変わります。

数字の表記が難しかったり、シーンに合わせてどんな設定値にすれば良いの?と疑問に感じる方もいると思います。
明るさやシーンに合わせて設定値を変えることで、写真の写り方もガラリと変わるので、ぜひマスターしたい項目です!

 

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シャッタースピードの役割

シャッタースピードとはなにか理解できても、実際にどんな役割を果たすの?と疑問に感じる方も多いでしょう。
シャッタースピードの役割とは、「明るさ」と「ブレ」の2つをコントロールする役割を担っています。

魅力的な写真を撮るために「明るさ」と「ブレ」をコントロールすることはとっても大切なことです。

  • シャッタースピードの数値が早いほどシャッターを切る速度が早くなり、その分光を取り込む時間が少なくなります。(被写体はブレにくい
  • 反対に、シャッタースピードの数値が遅いほどシャッターを切る速度が遅くなるため、光をたくさん取り込めます。(被写体はブレやすい

この役割を理解するとほぼシャッタースピードのことをマスターできるので、ぜひ覚えてくださいね!

ちなみに、シーンや撮りたい写真別のおすすめのシャッタースピード設定値については後ほど解説いたします。

 

シャッタースピードの表示の仕方

シャッタースピードは、「1/100(秒)」というように表示されます。

カメラの機種にもよりますが、
SS(シャッタースピード)1/5(秒)などの非常にゆっくりな数値から、
SS 1/4000(秒)といったとても早い数値があります。

あえてシャッタースピードを遅くしてブレを楽しんだり、星空を撮影したいときにはシャッタースピードを思いっきり遅く設定することもありますが、通常の撮影であまり遅く設定するのはNG。
シャッタースピードが遅いとブレが発生しやすく、手ブレのない写真を撮影することが難しくなるからです。

後ほど設定値については細かく説明しますが、基本的にはSS1/100以下には下げない方が良いです。

シャッタースピードを調節することでどうなるの?

左がシャッタースピードの速い水流、右がシャッタースピードの遅い水流

シャッタースピードを調整することで、「明るさ」と「ブレ」をコントロールできることをお話ししましたね。

周囲の明るさや撮りたい被写体が動いているのか、また、撮りたい写真のイメージによってシャッタースピードの数値を設定します。

ブレについては単純な仕組みですが、明るさについて少し複雑。
なぜなら、明るさはシャッタースピードに加え、F値ISO感度などを組み合わせて好みの明るさに調節する必要があるからです。

まずは、具体的なシャッタースピードの数値を紹介する前に、シャッタースピードと明るさの関係についてご説明しますね。

シャッタースピードと明るさの関係

写真の明るさは、

  • 光を取り込む時間を表示する「シャッタースピード(SS)
  • 一度のシャッターで取り込める光の量をコントロールする「絞り値(F値)
  • 取り込んだ光の量を増やす「ISO感度

3つの項目を調整し、組み合わせることで表現します。

場合によっては、一つの項目だけでは明るさが足りなかったり、撮りたい写真のイメージで設定すると明るさが足りない…ということもあるかもしれません。

そんなときには、他の2つの設定値を調節することで明るさをカバーするのです。

例えば、シャッタースピードは必要以上に下げるとブレが発生してしまいますね。
しかし、ブレの心配はあるもののもう少し明るい写真が撮りたい、というシーンもあるかもしれません。
そのときは、ISO感度を今の設定値よりも上げると良いのです。
ただし、この時の注意点としてF値を調整してしまうとボケ感が変わってしまうので要注意!

また、あえてF値を大きく設定してぼかしのない絞った写真が撮りたい、という時に明るさが足りない場合は、シャッタースピードを下げたり先ほどと同じように、ISO感度を上げてみましょう。

 

シャッタースピードの目安

ここまでシャッタースピードについていろいろと解説してきましただ、いよいよ実践編です。
ここでは実践で使えるシャッタースピードの目安についてご紹介します。
シーンや被写体別にご紹介しますので、ぜひ参考になさってくださいね。

ここでのシャッタースピードでの表示は「SS○」と表示いたします。

スポーツ中や走っているときの撮影は「SS 1/2000以上」

被写体が走っていたり、スポーツのように激しく動いているシーンでは、できる限りシャッタースピードを上げて設定しましょう。
動きの激しい被写体は、通常通りのシャッタースピードですとどうしてもブレやすくなってしまいます。

そのため、スポーツ中のような動きの早いシーンでは「SS 1/2000」以上がマスト!
屋外で明るく、SS 1/2000よりもシャッタースピードを上げても問題ない環境でしたら、さらに高く設定してもOKです。

ただし、先ほどもお伝えした通りシャッタースピードは高ければ高いほど暗く写真になりやすいので、光の強さなどを確認しながら調節してくださいね。

 

子どもやペットが被写体の時や水しぶきを撮りたいとき、明るい屋外では「SS 1/500以上」

止まってポーズを取ることが難しく、常に動き回る子どもやペットの撮影ではブレてしまうことがよくありますよね。
動き回る子どもたちをキレイに残す場合は「SS 1/500」以上が望ましいです。

また、SS 1/500くらいになると水しぶきが止まって見えるような印象的な写真が撮れます。

しっかりと明るさを取り込める日中の明るい屋外でも、基本的にはSS 1/500以上で設定すると良いです。

 

被写体が止まっていたり、暗い屋内での撮影では「SS 1/100以上」

料理やインテリアなど、動きのない被写体を撮りたいときには、「SS 1/100」以上で設定しましょう。

また、屋外に比べ光の量が少ない屋内での撮影でも、このくらいのシャッタースピードが良いです。
ちなみに、動きのある被写体を屋内で撮影したいときには、シャッタースピードをSS 1/125〜以上に上げてISO感度を調節しましょう。

SS 1/100でしたらよほどブレることは少ないのですが、重たいレンズやカメラを使っている場合、カメラを支えきれずブレてしまう心配も。
SS 1/100などシャッタースピードを低い数値で撮影したい場合は、ブレないようにしっかりとカメラを固定して構えましょう。

 

星空や花火、川や滝で水の流れを撮影したい時には「SS1秒以下」

真っ暗な夜空に広がる星空を撮影したいときには「SS 1秒」以上に下げて設定しましょう。

SS 1秒以上のような遅いシャッタースピードで撮影することを「長時間露光」と言います。

シャッタースピードを遅くすることで、光を取り込む時間が長くなりより多くの光の量が取り込められます。
肉眼ではしっかりと見えにくい星空や天の川も、シャッタースピードを上手く調節することで、目で見た以上の美しい景色が撮影できます。

また、シャッタースピードを遅く設定して動きのある被写体を撮影すると、肉眼では見られないような写真が撮れますよ。
例えば、流れる川や滝、花火を撮影してみてはいかがでしょうか。
シャッタースピードを下げてこれらを撮影することで、水の流れや花火で書いた文字などが写し出されてとっても面白いですよ!

ちなみに、シャッタースピードを遅くするときには、どうしてもブレやすくなるので注意が必要。
シャッタースピードを下げて撮影するときには、ブレを防ぐために「三脚」は必須です。

シャッタースピードを使いこなすことで表現の幅もグッと広がるので、もっとカメラが楽しくなることでしょう。

 

「シャッタースピード優先モード」でシャッタースピードを学ぼう!

カメラの設定には「Autoモード」の他にマニュアル(M)モードや絞り値優先(A)モード、シャッタースピード優先(S)モードがあります。
シャッタースピードを学ぶためには「シャッタースピード優先モード」を活用してみましょう!

シャッタースピード優先モードとは、シャッタースピードは自分で好みの数値に設定し、その他の絞りや明るさはカメラ側が調整してくれるモードです。

本来このモードは被写体をブレさせたくなかったり、あえてブレさせた写真を撮りたいときに使います。
しかし、シャッタースピードの調整だけを意識して撮影できるので、これからシャッタースピードを学びたい!という方にぴったりなんです。

シャッタースピード優先モードの使い方

まずはシャッタースピード優先モードに設定します。
メーカーによって少しずつ表示の仕方が違います。

  • Canon・ペンタックス:Tv
  • Nikon・SONY・オリンパス:S

シャッタースピード優先モードに設定したら、被写体や周囲の環境に合わせて好みのシャッタースピードに調節します。
カメラが決めた明るさが好みではない場合は、露出補正を使ってお好みの明るさに調整してくださいね。
あとはシャッターを押すだけでOK!

スマホカメラ(iPhone)の場合

スマホカメラ(iPhone)では一眼レフやミラーレスカメラのように、シャッタースピードを数値で調整する機能はありません。

シャッタースピードを早くしたい場合は、設定の「カメラ」で、「より速い撮影を優先」にしておきましょう。

また、「長時間露光」はスマホカメラでも設定可能です。
標準カメラアプリを起動したら撮影画面にある「Live Photos」をオンにしましょう。
被写体にピントを合わせてシャッターボタンをタップするだけでOKです。

まとめ

今回はカメラの基本操作の一つ「シャッタースピード」についてご紹介しました。

シャッタースピードはブレや明るさなど、写真の仕上がりに直結するとても大切な項目です。
今まで自分でカメラを設定すると「ブレやすいな…」と感じていた方も、もしかしたら被写体に対して適切なシャッタースピードではなかったのかもしれません。
また、シャッタースピードを使いこなすことで、撮影する写真の幅が広がります。

F値ISO感度の設定値と組み合わせて使わなければいけないので、少し難しいですが慣れてしまえば簡単ですので、ぜひマスターしてくださいね。