スマホやテレビのような液晶画面や、額縁に入ったものを撮影したときに、ライトや撮影している自分の姿が映り込んでしまうことってありませんか?実はこれらの現象は「光の反射」によって発生するのです。
この記事では写真の映り込みと反射を防ぐ方法を解説します。
光の反射は、光の当たる角度とカメラを構えている角度が同じ角度のときに発生する、という法則があり、この法則に沿って対策することで映り込みや反射が防げます。今回は、スマホやテレビ等液晶画面をはじめ、メガネとサングラスや、アクセサリー等、被写体別で解説しているので、被写体に合わせて対処法をマスターしていきましょう。
この記事は、実務経験のあるプロカメラマン・フォトグラファーが監修しています。
目次
写真の反射・映り込みとは
写真の反射・映り込みとは、表面がなめらかで光沢のある素材のものに、光が反射して映り込んでしまうことをいいます。
例えば、表面に光沢のある絵本を撮影しようとしたら絵本の一部にライトなどの光が反射して写ってしまった、という経験をされた方もいるかもしれません。まさにこれが、写真の反射・映り込み、なのです。
ほかにも身近なものでいうと
- スマホやテレビなどのディスプレイを写したいとき
- メガネやサングラスをかけた人を被写体にするとき
などといったシーンでも光の反射や映り込みが見られますね。
また、車の中から風景を撮影しようとしたら、車内が窓ガラスに反射してしまい、写り込んでしまった、というシーンも挙げられます。
\ 当サイト限定 割引クーポン配布中! /
まだ見てなかったらみてね!
フォトブックを15年以上作り続けているフォトブックマニアが、
実際の仕上がりを徹底比較した結果はこちら↓
写真に光が映り込む原因
写真に光が映り込んでしまうのか、というと「光が反射する角度」が原因なんです。
光の反射には法則があり、光を反射させてしまう被写体に光が当たると、被写体から反射した光をカメラがキャッチしてしまいます。
カメラが反射した光を感知するのは、反射する角度(反射角)と、カメラを構えている角度(入射角)が同じ角度のときに発生するのです。
窓ガラス越しで風景を撮影しようとしたら窓ガラスに室内が映り込んでしまうのはなぜ?
窓ガラス越しで外の景色を撮影すると、光だけでなく、カメラを構えた自分が映ってしまった、ということもあるかもしれません。
窓ガラスに反射してしまうのは、窓の向こう側よりもカメラを構えている場所の方が明るいため、明るい部分が窓ガラスに反射してしまうのです。
反射を防ぐには、窓の向こう側の明るさに合わせて、明るさを調節する必要があります。
明るさを調節することが難しい場合は、光を入れないように撮影したり、光の反射を打ち消して撮影すると良いでしょう。
具体的な撮影方法はこの後解説しますね。
被写体別!写真の映り込みを防止する撮影方法
さて、写真に光が映り込む原因がわかったところで、具体的に映り込みを防ぐ撮影方法をご紹介します。
液晶画面や窓ガラスの反射など、被写体別で解説するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
スマホやテレビ等の画面の反射、映り込みの写り込み防止方法
スマホやタブレット、テレビ等、画面の反射、映り込みは、反射を遮断させて映り込みを防ぎましょう。
- 被写体を斜めにすること
- 黒いレフ板を使うこと
で防ぐことができます。
スマホやテレビ等の画面を正面から撮影すると、カメラを構える撮影者が映り込んでしまいます。
そのため、スマホやタブレットを撮影するときには、斜めの位置から撮影すると良いのです。
ただし、画面に向かって斜めの角度から撮影するだけでは、スマホやテレビの画面の反射、写り込みを完全に防ぐことはできません。
黒いレフ板は購入することもできますが、黒い厚紙を使ったり段ボールに黒い画用紙を貼り付けたりして代用してもOKです。
黒いレフ板を画面に映り込むようにセッティングしましょう。
この一手間を加えることで、画面の反射、映り込みを防ぐことができますよ。
水族館、動物園等のガラスの反射、映り込みの写り込み防止方法
水族館、動物園など、明るさの調整が難しい場所では、ガラスにピタッとレンズをくっつけて撮影します。
シンプルな方法ですが、光が反射する隙間がなくなるので、映り込みを気にすることなく撮影ができるのです。
一眼レフで撮影するときには「写り込み防止用レンズフード」を使うとくっつけやすいですよ。
PL(偏光)フィルターを使ってみよう
「PL(偏光)フィルター」というものを使って撮影するのもおすすめです。
フィルターは、カメラのレンズに取り付けることで撮影した写真を色鮮やかに仕上げたり、光の反射を抑える効果があります。
PLフィルターには光の反射を抑える効果があり、水族館や動物園での撮影で活用することで窓ガラスの反射を防ぐことができます。
光が反射している場所からおよそ30度ほどの位置から撮影しましょう。
水族館のように暗い場所で使うときはシャッタースピードが遅くなってしまうので、ブレないように気をつけて撮影しましょう。
PLフィルターは水族館や動物園だけでなく、夜景などの撮影でも活用できます。
取り外し可能で、スマホカメラに対応したものも販売されているので、一枚持っておくと便利ですよ。
窓ガラスから外の風景を撮影するときの反射、映り込みの写り込み防止方法
窓ガラスから外の風景を撮影するときには、室内の明るさを外の明るさに合わせて調節しましょう。
屋外の明るさによっては室内の電気を消すだけで解消されることもあります。
ほかにも、先ほどお伝えしたレンズをピタッとくっつけるやり方や、PLフィルターを使っても映り込みを防ぐことができますよ。
メガネ・サングラスの反射、映り込みの写り込み防止方法
メガネ・サングラスの反射、映り込みは、カメラの位置に対して被写体が正面を向くことで発生しやすくなるので、正面にならないように角度に気をつけて撮影しましょう。
一番手軽なのが、顔や身体の角度が斜めになるようにポージングしてもらう方法です。
顔の角度が斜めになるように上目遣い気味になってもらったり、身体の角度を斜めにして目線を外すように撮影しても良いでしょう。
また、照明の位置を変えられる場合は、光が映り込まない角度や高さに調節して撮影するのも写り込み防止方法のひとつになります。
ガラスや樹脂などを使ったアクセサリー等の反射、映り込みの写り込み防止方法
ガラスや樹脂などで作ったアクセサリーの撮影でも、反射や映り込みが発生してしまうことがあります。
反射や映り込みの少ない角度を探して撮影することで防ぐことができるのです。
可能でしたら、被写体を斜めの角度にセッティングして撮影すると良いでしょう。
難しい場合は、スマホやテレビの撮影と同じように、光と被写体の間に映り込みを遮断させるアイテムをセッティングしてみましょう。
アクセサリーの撮影では、トレーシングペーパーやユポ紙のような半透明の紙がおすすめです。
表面に光沢のある絵本等の反射、映り込みの写り込み防止方法
絵本のように、光沢のある素材で作られた被写体を撮影したいときには、光に対して横向きでカメラを構えてみましょう。
カメラと被写体、ライトの位置が直線上にあることで映り込みが発生しやすくなります。
横向きにカメラを構えると、被写体とライトの位置の直線上から外れるため、映り込みを防ぐことができるのです。
また絵本などの撮影でも、アクセサリー撮影のときにご紹介した被写体を斜めの角度にセッティングするやり方も活用できます。
まとめ
今回は写真の反射、映り込みについて解説しました。
光の入り込む角度と反射する角度は同じ角度であることを理解し、光の当たる角度と同じ角度にならないように撮影することがポイントです。
被写体に光が反射してしまったときには、ライトや光の場所を確認し、光の当たる角度に合わせてカメラを構える位置や角度を調節してみましょう。
それでも難しい場合は、黒いレフ板やPLフィルターなど、紹介したアイテムを使って撮影してみてください。
光が反射する角度を意識することで、映り込みが防げます。