秋の訪れとともに赤や黄色など綺麗に色付く木々の葉っぱや、紅葉を風景にした人物を、美しく撮影したいと楽しみにしている方も多いでしょう。
紅葉写真の撮影は意外にも難易度が高く、綺麗な紅葉を撮影してみても、思い描いた写真が撮れない、とお悩みの方も多いと思います。
そこで今回は、鮮やかな紅葉写真を美しく残す、紅葉写真の撮り方についてご紹介いたします。
紅葉がメインの風景写真はもちろん、紅葉と人物を合わせたポートレート写真の撮り方も合わせて解説しています。
ぜひ、秋が深まる前に紅葉写真の撮り方をマスターし、写真撮影を通して季節の移り変わりを楽しみましょう。
この記事は、実務経験のあるプロカメラマン・フォトグラファーが監修しています。
目次
紅葉が主役!失敗しない紅葉の風景写真の撮り方
紅葉を見た時に「綺麗な景色だな」と思ってシャッターを切っても、いざ撮影した写真を見返した時に思っていた風景と違う…という経験はありませんか?
一見、紅葉はダイナミックで色鮮やかなので、写真映えするように感じますよね。
しかし、紅葉は身近であるものの、目で見たイメージと撮影した写真の印象が大きくかけ離れてしまうので、美しく撮るにはレベルの高い風景といわれているのです。
では、なぜ上手く撮れないのか、またどうすれば目で見たイメージ以上に美しい写真が撮れるのでしょうか。
早速、失敗しない紅葉が主役の風景写真の撮り方についてご紹介します。
まずは、なぜ紅葉写真が上手く撮れないのか分析してみよう!
先ほど、紅葉は目で見たイメージと撮影した写真の印象が大きくかけ離れてしまうことをお伝えしましたね。
なぜ同じ紅葉でもイメージが大きくかけ離れてしまうのかというと、紅葉はほかの被写体に比べて、どこを主役にすれば良いかわかりにくいからです。
たくさんの葉っぱが集まることで美しさを演出する紅葉は、どこをどのように切り取れば美しく見せられるか難しく感じる方も少なくありません。
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紅葉写真の「主役」を探そう(構図について)
きれいな紅葉に出会ったら、まずはどこを切り取るか主役を探してみましょう。
切り取る場所や切り取り方によってある程度構図も決まってくるので、初心者の方は「ここを切り取る場合はこんな構図で撮る」と意識しながら主役を探すとわかりやすいですよ。
では早速、紅葉の切り取り方について解説します。
キレイな紅葉の葉を切り取ってみる
紅葉の木全体を切り取るのではなく、紅葉の中でもとくにキレイな紅葉の葉っぱを主役にしましょう。
ポイントは、主役になる葉っぱをしっかりと絞って撮影すること。
美しい葉っぱでしたらたった1枚でも良いのです。
写真に映り込む風景をシンプルにすることで、主役になる紅葉の葉が引き立ち、「何が撮りたいのか」明確に表現ができる写真に仕上がります。
このとき、高い位置にキレイな紅葉の葉っぱがある場合は、上から見上げるように撮影すると良いでしょう。
日の丸構図や三分割法構図を用いて撮影するとより、主役が浮き出るような魅力的な写真に仕上がります。
木々に付いている紅葉だけでなく、落ち葉を手で持っているところを撮影するのも良いですよ。
背景はしっかりとボカして撮影すると魅力的な写真に仕上がります。
仰るように撮影して紅葉の美しさを引き立てましょう。
一眼レフやミラーレス一眼の場合
この時に使用するレンズは、中望遠レンズまたは、背景がしっかりとボケる単焦点レンズがおすすめです。ボカし方など詳しい設定については後ほど解説します。
スマホカメラの場合
スマホカメラ(iPhone)を使う場合は、「ポートレート」モードの使用がおすすめです。
紅葉全体をダイナミックに撮影したいなら「縦位置撮影」
木々を含めて、紅葉全体を撮影したいときには、カメラを縦に構えた「縦位置撮影」を活用しましょう。
縦構図での撮影は、奥行きや高さを出すことで存在感を強調させた写真が撮れます。
存在感があり、被写体を強く表現できる縦位置撮影は、紅葉全体の美しさを表現したいときにおすすめの撮影法です。
注意点は、縦構図で撮影するときに、紅葉の木が中途半端に切れてしまっていると何を伝えたいのかわからない写真になってしまいます。
また、写真全体の割合として、木の幹が葉っぱよりも多いと、写真を見たときに主役が何かわからなくなってしまいます。もちろん、葉っぱは木に生えている紅葉だけでなく、落ち葉を映し出しても構いません。
一眼レフやミラーレス一眼の場合
縦位置撮影のときに使用するレンズは、広い範囲が撮影できる広角レンズがおすすめです。
スマホカメラの場合
スマホカメラ(iPhone)では、カメラモードを起動した後、画面の下の方にある「.5」をタップし超広角カメラに切り替えて撮影しましょう。
スマホは逆さに持ち、レンズが下側になるように撮影すると葉っぱが主役になる、ダイナミックな写真が撮れます。
(※広角カメラが無い機種もあります)
落ち葉にも注目してみよう
紅葉写真を撮るときには、足元にある落ち葉にも注目してみてください。
まるで落ち葉の絨毯のように見えるカラフルな地面は、写真に残しても美しいです。
画面いっぱいに落ち葉を撮影しても良いですし、ローアングルで地面の位置から撮影しても面白いです。
慣れてきたら周辺の美しい風景と紅葉を合わせてみよう
ここまで紅葉の基本的な切り取り方について解説してきました。
基本をマスターした方は、紅葉の美しさを引き立ててくれるような周辺の風景と一緒に撮影しても良いでしょう。
例えば、川や湖、天気が良い場合は青空もおすすめです。
紅葉の名所によっては、川や湖に紅葉が反射するスポットもありますので、横位置撮影で「逆さ紅葉」の撮影に挑戦してみてもいいですね。
上掲の写真はシンメトリー構図とも言います。
光を意識して撮影する
色鮮やかで美しい紅葉を撮影するには、「逆光」を狙いましょう。
逆光で撮影することで、紅葉の鮮やかな色合いがキレイに表現でき、透明感のある写真に仕上がります。
さらに、紅葉の間から光が漏れている写真は、ドラマティックで幻想的な印象に!
詳しい撮影方法は、まず光の位置を確認します。
逆光が確認できたら、太陽の光に葉っぱを被せるようにして撮影してみましょう。
下から見上げるように撮影するとやりやすいかもしれません。
場合によっては被写体となる紅葉が暗く写し出されるので、必要に応じて露出補正で明るさを調整します。
露出補正については、次に説明しますね。
→露出補正について
光を意識して撮影するだけで、シーズン終わりの紅葉も最後まで美しく撮影できますよ。
それだけでなく、後ほど解説する玉ボケを背景にした紅葉写真もキレイに撮れます。
ちなみに、上級者のテクニックとしては「サイド光」に挑戦してみるのもおすすめ!
サイド光で撮影すると影ができるので、立体感のある奥ゆかしい紅葉写真が撮れます。
とくに、太陽の位置が低い朝や夕方の時間帯は、サイド光が出やすいです。
露出補正について
紅葉写真では、逆光での撮影が良いということを先ほど、お話をしましたね。
逆光で撮影すると場合によっては、被写体である紅葉が暗くなってしまうことがあります。
露出で明るさを調節して、イメージする紅葉写真に近づけましょう。
一眼レフやミラーレス一眼の場合
具体的な数値は、光の加減や画面に対する紅葉の割合によって変わりますが、プラス1EV〜3EVほど露出補正して撮ると良いでしょう。
撮影しながらお好みの明るさで調整してくださいね。
スマホカメラの場合
スマホカメラ(iPhone)を使用する場合も、露出補正で明るさを調整しましょう。
やり方は、カメラアプリを起動させたら画面上にある「^」をタップし、シャッターボタン近くにある「±」をタップします。
露出計を左右にスワイプさせることで明るさを調整できます。
シンプルに、背景を整えよう
主役と光の位置を確認できたら、背景を整えましょう。
背景は「シンプルに」が鉄則!
背景をシンプルに整えることで、色鮮やかな紅葉の美しさを最大限に引き立てられます。
紅葉が美しく映えるシンプルな背景を作るには、
「ボカす」「空」「黒い影」の3つを使った演出が良いです。
一つずつ確認していきましょう。
ボカす
主役の紅葉以外の背景を思いっきりボカしてみましょう。
背景をボカすことで、周りが目立たなくなり、主役が引き立つのです。
シーンを選ばずに使える手法なので、やり方を覚えておくと便利ですよ。
やりやすいのは、主役にしたい紅葉を手前にし、手前の紅葉にピントを合わせることで、背景をボカすやり方です。
応用編としては、前後をボカし、ボケとボケで主役の紅葉を挟んでも良いでしょう。
また、玉ボケを背景にした撮影も素敵です。
光が漏れているところや肉眼できらきら光っているようなところを背景にし、主役の被写体は手前にしてピントを合わせます。
一眼レフカメラの場合は、望遠レンズを使って背景を圧縮し(例えば70-200の場合は、200側など、一番大きな数字に設定)、F値を一番小さくすることでより大きな玉ボケが作れます。
一眼レフやミラーレス一眼の場合
一眼レフやミラーレス一眼の場合は、F値の低いカメラや望遠レンズを使用してボカしましょう。
設定は絞り値優先モード(Aモード)で、F値を一番小さい数字にしましょう。
スマホカメラの場合
スマホカメラ(iPhone)の場合は、「ポートレート」モードを使うことで背景をボカした写真が撮影できますよ。
空を使った背景
紅葉を撮影するときに、空を使うことでシンプルな背景を演出できます。
具体的に言いますと、カメラが捉える明暗差を活用することで背景を白っぽく見せるのです。
一般的に順光での撮影に比べて逆光では、色が飛んでしまうことがあります。
例え青空であっても、逆光で撮影すると空の色が白く写ってしまうのです。
このようなカメラの特性を活かして、白い背景を作ります。
白い背景には、はっきりとした色味の紅葉が映えるので、より魅力的な写真が撮れるのです。
黒い影を活かした背景
白い背景と同じように、影を使うとカッコ良い雰囲気の紅葉写真に仕上がります。
日陰になっている部分を背景にすることで簡単に洗練された紅葉写真が撮れますよ。
紅葉と人物を合わせたポートレート写真の撮り方
ここまで紅葉の風景写真について解説しましたが、
子どもや友人と一緒に紅葉を背景にポートレート写真を楽しむのもおすすめです。
紅葉と一緒に撮影するポートレート写真にも、風景写真と同じように意識すると良いポイントがあります。
ここからは、紅葉と人物を合わせたポートレート写真の撮り方についてご紹介します。
服装
紅葉と人物を合わせて撮りたい時に、服装は最も気をつけておきたいポイント!
なぜなら、カラフルな紅葉と服装が色かぶりしてしまうと、人物と風景が同化してしまい、どちらも目立たないからです。
赤い紅葉と撮る場合は、白やベージュの服装を、黄色い銀杏と撮る場合は、赤い服を選べば、人物が目立ち、それぞれの良さが引き立つでしょう。
肌の色かぶりに要注意!
色味がはっきりとしている紅葉は、あまり肌に近づきすぎると葉っぱの色味が肌に反射してしまいます。
肌に葉っぱの色味が反射してしまうと、極端に顔が赤くなったり顔色が不自然に黄色みを帯びてしまうこともあるのです。
ポートレート写真を美しく仕上げるには、肌の自然な色味はキープする必要があります。
そのため、あまり被写体となる人物が葉っぱに近づきすぎないことがポイントです。
一眼レフやミラーレス一眼の場合
あまりにも肌の色かぶりが気になる場合は、ホワイトバランスを太陽光にセットしてみましょう。
スマホカメラの場合
スマホカメラ(iPhone)の場合、スマホに搭載されているフィルターを使って調整してみても良いでしょう。
紅葉と人物を合わせたおすすめの構図は?
紅葉ポートレート写真の注意点が理解できたら、実際にどんな構図で撮ると良いか確認しましょう。
紅葉ひとつとっても、アイデア次第でさまざまなバリエーションの写真が撮れるんですよ。
子どもも大人も使えるアイデアばかりなので、ぜひ参考になさってくださいね。
前ボケを合わせてみる
せっかくの美しい紅葉なので、背景だけに留めておくのはもったいないです。
前ボケを作ることで、可愛らしくふんわりとした雰囲気の写真に仕上がったり、写真を表現する幅がグッと広がりますよ。
一眼レフやミラーレス一眼の場合
前ボケを作る時には、F値を一番小さく設定しましょう。
前ボケにしたいものにぐっと近寄って被写体にピントを合わせることで撮影できますよ。
スマホカメラの場合
スマホカメラ(iPhone)で前ボケを作るには、一眼レフと同じように、前ボケにしたいものを手前にしましょう。
主役になる被写体にタップしてピントを合わせて「AE/AFロック」で撮影します。
並木の中にぽつん
人物は思いっきり小さく、まるで風景写真のような写真を撮るのもおすすめです。
シンプルな背景の中にぽつんと引き立つ人物写真は、見せたいと思うものをはっきりと演出できますよ。
ぽつんとした写真を撮る場合は、3分割構図、日の丸構図、放射構図での撮り方がおすすめです。
上級者向けになりますが、あえてあまりぼかさず、F値を高めの数字に設定して撮影しても、味のある写真が撮れますよ。
ずらっと並んだ銀杏並木を撮るときは放射線構図が美しいです。
落ち葉で遊んでみる
とくに子どもとの撮影でおすすめなのが、落ち葉を使った人物撮影。
落ち葉の絨毯でゴロンと寝ているところを35mmレンズを使って、上から見下ろすように撮影したり、落ち葉で遊んでいる姿も可愛らしいです。
たくさん集めた落ち葉をパラパラちりばめているシーンの撮影もおすすめです。
上から撮るだけでなく、思いっきり地面に寄ってローアングルで撮影しても、バリエーションが増えますよ。
一眼レフやミラーレス一眼の場合
落ち葉を散りばめているシーンは、シャッタースピードを早めて連写モードでたくさん撮るのが正解!
具体的なシャッタースピードは、1/500以上の数字に設定します。
スマホカメラの場合
スマホカメラ(iPhone)の場合も、一眼レフと同じように落ち葉で遊ぶシーンは連写モードにしましょう。
シャッターを長押しすることで連写撮影ができます。
まとめ
紅葉写真の撮り方について、風景写真と人物写真、それぞれ分けてご紹介しました。
紅葉写真では、紅葉の中でも主役にしたい場所はどこか切り取りながらも、シンプルな背景と光の向きを意識しましょう。
これら一つひとつを意識的に感じることで、今まで以上に魅力的な紅葉写真が撮れますよ。
ぜひ、ご紹介した紅葉写真の撮り方を参考に、秋の風景を探してみてくださいね。
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