この記事は、実務経験のあるプロカメラマン・フォトグラファーが監修しています。
動き続ける子どもが被写体となるため、上手く撮ることが難しい運動会の写真撮影。
ピントが合わなかったりどのレンズを使えば良いのかわからない…などと悩む方もいるのではないでしょうか?
運動会の写真を上手く撮るには、場所やプログラムなどの事前リサーチはもちろん、遠くまで撮影できる望遠レンズを使ったりシャッタースピード優先モードで撮影したりする必要があります。
今回はそんな運動会の写真の撮り方を基本のコツに併せて、種目別の撮り方のコツやおすすめの撮影シーンをご紹介します。
上手く撮ることが難しい運動会の写真も、いくつかあるコツを押さえることでステキな写真が撮れますよ。
ぜひチェックしてみてください。
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目次
運動会写真の撮り方のコツ
まずは運動会写真の基本の撮り方について解説します。
運動会の写真を上手く撮るには、カメラの設定だけでなく、機材や情報収集などの事前準備がとても大切!
早速、一つずつチェックしてみましょう。
事前にプログラムをチェック
運動会写真を撮る際には、あらかじめ子どもが参加する競技、大まかなプログラムをチェックしておきましょう。
事前に我が子がどの競技に参加するか把握しておくことで、失敗や撮り逃してしまうことを防ぎます。
- 徒競走 → 走る順番、コースの配置、どこからスタートしてどこがゴールか
- ダンスなどの競技 → どのあたりでどこを向いて競技するか
さらに、プログラムに併せてそれぞれの競技内容や位置を把握しておくと、どのポジションから撮影するか場所取りしやすくなります。
良い撮影ポジションがわからない場合は、先輩ママに過去の運動会の様子やどの位置からが撮影しやすいかリサーチしてみるのもおすすめです。
「望遠レンズ」が基本!
運動会の撮影で使用するレンズは「望遠レンズ」がベター。
なぜなら、運動会はグラウンドや体育館など広々とした場所で行われるため、焦点距離の短い標準レンズでは被写体となる子どもに距離が届かず、アップ写真どころか、全身の写真を撮ることも難しいからです。
★スマホカメラ(iPhone)の場合
スマホカメラに望遠レンズが付いている場合はそれを使用し、
付いていない場合は、外付けの望遠レンズが販売されています。
★一眼レフ・ミラーレス一眼カメラの場合
運動会が行われる会場の広さによっておすすめの望遠レンズが異なります。
新たにレンズの購入やレンタルを考えている場合は、最大焦点距離が以下の数値のレンズを検討すると良いでしょう。
- 小さなグラウンドや体育館 → 200mm程度
- 広いグラウンド → 400mm程度
- 団体競技もしっかり撮りたい場合 → 600m程度
会場の広さに合わせてレンズを買い替えなくても、レンタルする方法もあります。
望遠レンズは必須ですが、手持ちの望遠レンズでも工夫次第で上手く撮れますよ。
トリミングの方法は後ほど解説しますね。
「シャッタースピード優先モード」で撮ろう
常に動き続ける被写体を撮影する運動会では「シャッタースピード優先モード」で撮影しましょう。
シャッタースピードとはシャッターを切る速度のこと。
シャッターの切る速度が遅くなるほどブレやすくなってしまいます。
シャッタースピード優先モードで撮影することで、自分でシャッタースピードを調節できるので、極端に遅くなってしまうことを防ぎ、ブレにくくなるのです。
★スマホカメラ(iPhone)の場合
スマホ(iPhone)で撮影する場合は、設定の「カメラ」で、「より速い撮影を優先」にしておきましょう。
★一眼レフ・ミラーレス一眼カメラの場合
動き回る被写体を撮影するときには、どれだけ遅くても「SS1/500以上」、できれば「SS1/1000前後」に設定すると良いでしょう。
ちなみにSS1/1000前後に設定すると明るさが足りず、撮った写真が暗くなってしまうこともありますが、もっと明るい写真が撮りたい場合は、周りの明るさに合わせてISO感度や露出補正を調節してください。
- 晴天の場合→ISO100程度
- 曇りの場合→ISO200〜400程度
- 会場が体育館の場合→ISO400〜800程度
晴れたり曇ったりを繰り返す不安定な天気だったり、明るさが変わるような場合はISO感度を「AUTO」に設定してもOK。
AUTOにすることで、周りの明るさに合わせて適切な設定値にカメラ側が調節してくれます。
また、自分自身でカメラの設定を調節することに不安がある方やシャッタースピード優先モードに慣れていない方は「スポーツモード」を使って撮影しましょう。
スポーツモードは、動き続ける被写体に対してカメラが自動的にピントを合わせてくれるので、ピンボケを防いでキレイに撮れます。
シャッタースピード優先モードでは周りの明るさに合わせて設定値を調整しなければいけませんが、スポーツモードではカメラが周りの明るさに合わせてシャッタースピードを調節してくれます。
適切な明るさをキープしながらブレずに写真が撮れるのです。
スポーツモードを使っての撮影は、自分でカメラを操作することに慣れていない方や競技を見ることに集中したい方にとくにおすすめです。
ただし、カメラの機種によってはスポーツモードが搭載されていない場合もあるので、手持ちのカメラをチェックしてくださいね。
「連写モード」がおすすめ
運動会の写真撮影では「連写モード」を積極的に活用してみましょう。
ベストショットの撮影が難しい運動会の写真も、連写モードで一度にたくさんの写真を撮ることで良い瞬間が撮れる確率が上がります。
上手く撮れたのに目を瞑っている…、などといった悩みも連写モードを活用することで解決しますよ。
カメラの設定画面で連写モードに切り替えられるので、運動会前にチェックしておくと安心です。
★スマホカメラ(iPhone)の場合
スマホカメラで連写機能を使いたいときには、シャッターボタンを長押ししましょう。
アップは「トリミング」を活用してみよう
運動会の会場に対して望遠が届かないときには「トリミング」を活用してみてください。
トリミングとは、写真の使いたい部分をパソコンやスマートフォンのアプリなどを使って切り抜くこと。
トリミングを使うことで、望遠が届かないときだけでなく、表情をフォーカスしたアップ写真も手軽に撮れます。
基本的には撮影後にパソコンやスマートフォンにデータを取り込んでからトリミングしますが、機材によってはトリミング機能が備わっているカメラもあります。
どちらもやり方は変わりませんので、使いやすい方を活用してくださいね。
ちなみに、トリミングの注意点としてトリミングすると画質が悪くなるので、あらかじめデータサイズを最大値に設定しておく必要があります。
「JPG」での撮影でしたら、画像サイズを「L」に設定します。
パソコンでトリミングする場合は、可能でしたら「RAW」データで撮影しておくと良いでしょう。
三脚があると便利!
運動会の撮影では、三脚を使ってカメラを固定してから撮影するのがおすすめです。
なぜなら、望遠レンズを使うことでカメラが重くなり、ブレやすくなってしまうからです。
三脚にカメラを固定することで、安定感が増してミスショットがぐっと減りますよ。
また、重いカメラを自力で構え続けなくても良いので、身体への負担も軽く済みます。
ただし、園や学校によって三脚の使用を禁止していることもあるので、事前にチェックしておきましょう。
★スマホカメラ(iPhone)の場合
スマホカメラで撮影する際には三脚の使用はどちらでも問題ありません。
ただし、望遠レンズを装着するとバランスが上手く取れない、という方はスマホカメラ専用の三脚に固定して撮影しても良いでしょう。
メモリとバッテリーの容量を確認しておこう
運動会では長時間に、たくさんの写真を撮りますよね。
途中でメモリの容量不足やバッテリーがなくなってしまった、というトラブルを回避するためにSDカードの容量とバッテリーの容量を確認しておきましょう。
当日の朝ですと慌ててしまうので、前日までにチェックしておくことが鉄則!
ただし、夜のうちにバッテリーの充電して朝カメラに入れることを忘れないように気をつけてくださいね。
メモリカードは「書き込み速度」が速いものを選ぼう
ちなみに、運動会の撮影時に使用するメモリカードは、書き込み速度が速いメモリカードを選びましょう。
運動会では連写撮影が基本であることを先ほどお伝えしましたね。
連写撮影を長く続けていると、メモリカードに撮影したデータを書き込む時間がかかってしまい、シャッターが押せなくなってしまう場合があります。
シャッターが押せなくなってしまうとシャッターチャンスを逃してしまうこともあるので、書き込み速度が速いメモリカードを選ぶと安心です。
メモリカードの書き込み速度は、「○MB/s」と表示されています。
ここに記載されている数字の数が大きいほど書き込み速度が速いのですが、連写を使う場合は「260MB/s」ほどあると安心です。
できる限り、書き込み速度の速いメモリカードを使ってくださいね。
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種目別の写真の撮り方
ここまで運動会写真の撮り方の基本のコツを解説しました。
運動会での写真では徒競走やダンスなど、それぞれの種目に合わせておすすめの撮り方があります。
ここからは、種目別の写真の撮り方を解説します。
徒競走
運動会の写真撮影で絶対に撮りたい徒競走のシーン。
徒競走シーンではおすすめの撮影ポイントが3つあります。
- スタート地点
- コーナー付近
- ゴール地点
この3つシーンは撮影しやすいだけでなく、後からアルバムを作るときにもポイントに!
それぞれのシーンを合わせることで一つの物語のようになり、ストーリー性のあるアルバムに仕上がるのです。
ただ、運動会ではなかなか場所を移動することが難しいことも。
友達とどのシーンを撮影するか、事前に担当を決めて協力し合っても良いでしょう。
難しい場合は、1番撮りたいシーンはどこか作戦を練ってから場所取りしてくださいね。
それでは、それぞれのシーンの撮影ポイントについて一つずつ確認しましょう。
スタート地点
スタート地点は止まっていることが多いため、徒競走の中で最も撮りやすいシーンです。
スタート地点から斜め前の場所で撮影できれば、スタート地点と走っているシーンの二つのパターンが撮影できます。
「よーい、どん」に合わせてシャッターを切れば、走り出す瞬間の躍動感あるステキな写真が撮れますよ。
カメラを横に構えて、一緒に走る子どもたちと一緒に撮影しても良いでしょう。
水平線を意識して安定感のある写真が撮れるように意識してくださいね。
可能でしたら、カメラを縦に構えて我が子だけが写るように切り取るのもおすすめです。
このときはシンプルに日の丸構図で撮影してください!
また、あえて顔は映さず、足元にフォーカスを当てて撮ってみても面白いですよ。
カメラを横に構えて三分割法構図を意識して撮ってみましょう。
表情以外にも、いろいろな場所にフォーカスすることで、撮影した写真のバリエーションが増えますよ。
コーナー付近
コーナー付近では、走っているシーンが撮れます。
ここでは動き続ける子どもが被写体になるため、ファインダーでしっかりとピントを合わせたら子どもの動きに沿ってカメラを横に移動させながら連写しましょう。
ここで構図を意識することは難しいと思うので、バランスが悪くならないように余白を意識しながら撮影してみてくださいね。
ゴール地点
徒競走の中でも、ゴール地点はベストショットが狙いやすいシーンです。
ベストショットを撮るポイントは、ゴールする瞬間をピンポイントで狙うのではなく、ゴールする少し前から連写で撮影すること。
ゴール前からシャッターを切ることで、ベストショットを逃すことなく撮影できます。
ダンス
運動会の定番競技になりつつあるダンスでは、場所取りがとても大切です。
最初にお話ししましたが、
- どの位置で踊るか
- フォーメーションの移動はあるか(移動する場合はどこに行くか)
- どこを向いて踊るのか
これらを事前に確認した上で、適切な場所を探しましょう。
また、ダンスでは表情にフォーカスを当てたアップ写真とダンスしている雰囲気が伝わる全身写真を撮ると良いです。
アップ写真、全身写真どちらも、日の丸構図や三分割法構図など、シンプルな構図で被写体を引き立てるのがおすすめ!
縦構図、横構図、どちらもバランス良く撮影しておくとバリエーションが増えて後で見返したときに楽しいですよね。
これも撮っておくと自作フォトブック・アルバムの完成度が上がります
最後に運動会で撮影したいおすすめシーンをご紹介します。
ここで紹介するシーンを撮っておくと、運動会で撮影した写真を使ってフォトブックやアルバムを作ったときに完成度が上がります。
余裕があれば、ぜひ撮影してくださいね。
入場門
運動会の始まりを予感させる「入場門」の写真を撮ってみましょう。
入場門を撮影するときには、全体的に写るようにカメラを縦に構えて撮影すると良いです。
得点ボード
運動会で得点ボードがある場合は、得点ボードを撮影しておくと良いですよ。
勝ったり負けたりと、運動会の雰囲気が伝わる得点ボードの写真があるだけで、アルバムのストーリー性が一気に上がります。
得点ボードを書いたり、めくったりしているところを狙い、手元のみがファインダーの中に入るように撮影してもおすすめです。
お弁当
運動会の醍醐味であるお弁当の写真もぜひ撮ってみてください。
お弁当を撮るときにも、ちょっとしたコツを意識することで、美味しさの伝わる写真が撮れますよ。
- 真上よりも斜め上から、少し角度をつける
- フレームから少しはみ出るくらい思いっきり寄って撮る
- お弁当に光を反射させ、ツヤ感を出す
この三つのポイントを意識して撮影してみてくださいね。
ほかにも、お弁当を食べているシーンをアップで撮るのもおすすめです。
飾りつけ
運動会では普段とは違った華やかな装飾、園児や児童が自作した旗などが飾りつけられていますよね。
そんな運動会らしい雰囲気が楽しめる飾りつけにフォーカスした写真を撮ってみましょう!
会場の雰囲気を写真に残しておけば、後から見返したときに思い出がふわっと蘇ります。
旗などは青空を背景に撮影すると雰囲気の良い写真が撮れますよ。
我が子が準備した飾りつけがあれば、ぜひアップで撮影してくださいね。
メダルや賞状
メダルや賞状を受け取った場合は、ぜひ撮影しましょう。
表情がはっきりと伝わるように、メダルや賞状を持ってアップで撮影したり、メダルや賞状のみを撮影するのもおすすめです。
アップで撮影する場合は、上半身のみを日の丸構図で撮影しましょう。
縦構図、横構図どちらも撮っておくと良いです。
友達と一緒に撮影しても良いですね。
また、メダルや賞状のみで撮影する場合は、白い布の上などに賞状やメダルをおいてアップで撮ってみましょう。
メダルを両手で包むように持って、カメラを横に構え、日の丸構図で撮るのもおすすめです。
まとめ
運動会の写真について撮り方のコツや撮っておくと良いおすすめのシーンなどを解説しました。
タイミング良くベストショットを狙うことが難しい運動会の撮影。
しっかりとした事前準備やシャッタースピードの設定値を意識することで、ミスショットが減り上手く撮影できるでしょう。
ブレてしまったり納得のいく構図で撮れなかった場合でも、それはそれで味のある良い写真になります。
上手く撮影することばかり意識していると、写真撮影に夢中になってしまうことも。
写真撮影はほどほどに、子どもが競技している姿をしっかり目に焼き付けてくださいね。
ぜひ、運動会の写真を撮るときの参考にしてくださいね。
この記事は、実務経験のあるプロカメラマン・フォトグラファーが監修しました。
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