今回は、富士フイルムの「FUJICOLOR ARTBOOK(アートブック)」を作りました。
印刷タイプなので、銀塩プリントのフォトブック(ハードカバー)とは画質や質感が異なりますが、アートブックにはアートブックならではの良さがあります。
印刷技術・画質・発色・紙質・製本品質を詳しく検証しましたので、アートブックを作りたいと考えている方の参考になれば嬉しいです。
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→ 富士フイルムのフォトブック全種の口コミ・比較
| 商品名 | FUJICOLOR ARTBOOK |
|---|---|
| サイズ | A4特寸・縦318×横236mm |
| 見開きサイズ | 縦318×横472mm |
| 製本 | 中綴じ製本・ホッチキス留め |
| 開き方 | 左綴じ・左開き |
| 出力方法 | 印刷仕上げ |
| ページ数 | 24・36・48ページ(Web編集) |
| お届け目安 | 約10〜14日 |
| 編集方法 | Web編集ソフト |
※ページ数には表紙と裏表紙を含みます。プロラボCREATEのPDF入稿は20〜48ページ(4ページ単位)に対応しています。
2026年10月1日の価格改定後の料金は以下です。
| ページ数 | 税込価格 |
|---|---|
| 24ページ | 4,980円 |
| 36ページ | 6,530円 |
| 48ページ | 8,080円 |
送料は配送方法や注文条件によって異なります。最新の送料・割引条件は注文画面で確認してください。
※注文時期やキャンペーンによって価格・送料が異なる場合があります。商品ページと注文画面の最終金額をご確認ください。
富士フイルムのアートブックを実際に作成してみたところ、A4よりひと回り大きなサイズ(縦318×横236mm)は迫力があり、写真だけでなくイラストやデジタルアートが予想以上にきれいな仕上がりでした。
写真やイラストを一冊の「作品集」として楽しみたい方におすすめです。ツヤを抑えたマットな用紙は、触れるとさらさらとして心地よく、一般的なフォトブックとは違う上品な風合いがあります。
「粉体トナー4色印刷」タイプのフォトブックなので、銀塩プリントほどのなめらかな階調表現は得られないものの、着物の鮮やかな赤や、イラストのピンク・ブルー・グリーンなどは美しく再現されていました。特にイラストは相性がよく、シャープに美しく仕上がっています。
一方で、中綴じ製本のためハードカバーほどの丈夫さはなく、もし子供に持たせるとすぐに折り目をつけられてしまいそうなので、注意が必要です。
価格は一般的な冊子タイプのフォトブックと比較すると高めですが、迫力のある大判サイズで雑誌のようなおしゃれな1冊を作りたい人にはおすすめです。
おすすめな人
- 大判の写真集やポートフォリオを作りたい人
- イラストやデジタルアートの作品集を作りたい人
- マットな紙の風合いにこだわりたい人
- ハードカバーよりも厚みを抑え、省スペースに収納したい人
- AI自動レイアウトで簡単に作りたい人
- 信頼性のある大手のサービスで注文したい人
おすすめではない人
- 銀塩プリントの最高画質を求める人
- アルバムのような丈夫な製本でフォトブックを作りたい人
富士フイルムのアートブックを実際に作ったレビュー・評価
表紙に赤ちゃんの写真を大きく配置し、下部には「PHOTOBOOK MANIA」と文字を入れました。
落ち着いたマットな質感です。柔らかな色合いの写真と相性がよく、ナチュラルで上品な雰囲気に仕上がりました。すっきりしたフォントもいい感じですね。
斜めから見ると、紙製の表紙ならではの柔らかさがわかります。
厚い表紙ボードを使用したハードカバーとは異なり、気軽に手に取ってページをめくれる、アート雑誌のような印象です。
表紙だけでなく、裏表紙にも写真を大きく配置できます。
写真や作品の世界観を表紙から裏表紙まで統一すると、オリジナル写真集らしい仕上がりになります。

梱包・配送状態
届いたアートブックは、段ボール製の梱包で保護されていました。配送中に折れ曲がりにくいよう配慮されています。
中には、FUJIFILMのロゴが印刷された透明な袋に入ったアートブックが収められていました。配送時に雨などの、軽い水滴は大丈夫でしょう。
商品には、納品書や利用案内などの書類も同封されていました。


上掲の納品書は価格改定前のものです。注文時の24ページの価格は4,730円でしたが、2026年10月1日以降は4,980円に改定されています。
同封の案内では、印刷物の保管について、高温多湿や長時間の直射日光を避けるよう注意されています。アートブックも、長期保存する場合は湿気や光の影響を受けにくい場所で保管するとよいでしょう。(→フォトブックの保管で気をつけること)
画質【写真の精細さ】
仕上がったアートブックを800dpiでスキャニングし、部分拡大画像で写真の精細さを確認しました。
上の画像では、細かな網点(ドットパターン)が見られ、拡大すると印刷仕上げならではの粒状感があります。
イラストの目元も拡大して確認しました。髪の細い線や瞳の輪郭は比較的はっきりしています。一方、ピンクの髪や肌色の部分には、写真と同じく細かな網点が見えます。
今回のアートブックも、通常の鑑賞距離では十分にきれいな仕上がりでした。拡大画像では網点が確認できますが、それだけで実物を粗く感じるということではありません。また、銀塩とは違った独特の味があるとも言えます。
粉体トナー4色印刷の網点と銀塩プリントの違い
| ART-BOOK (粉体トナー4色印刷) |
ハードカバー (銀塩プリント) |
|---|---|
![]() |
|
富士フイルムの「フォトブック ハードカバー」は写真印画紙を露光・現像する銀塩写真仕上げ、ARTBOOKは印刷仕上げです。今回の実物では、粉体トナーによるCMYK4色印刷の特徴が見られました。
電子写真方式の粉体トナー印刷では、色の濃淡を微細な網点などで再現します。銀塩写真仕上げのような連続階調と比べると、拡大時の粒状感やグラデーションのつながりに差が現れます。
人物の輪郭や赤いフードの縁、目元などは通常の距離で十分に見分けられます。一方、黒髪や暗い背景の細部は、銀塩プリントほど滑らかに分離して見えない箇所があります。
人物の肌の滑らかさを最優先するなら銀塩プリント、紙に印刷した独特の風合いを楽しむならARTBOOKという使い分けがおすすめです。
画質【発色の美しさ】
銀塩プリントのつややかで滑らかな質感とは異なり、マットな紙に色が乗ったような落ち着いた印象でした。
小さいフォトブックでは、粉体トナー4色印刷の網点や色斑が目立つ場合もありますが、ART-BOOKは冊子自体が大きく、写真が大きく印刷されているので、そのような不自然さはありませんでした。
七五三の赤い着物や背景の発色
彩度の高い色の再現を見るために、七五三の写真も確認しました。赤い背景は濃度感があり、緑の背景との色の対比が美しく出ています。
着物の細かな赤・橙・金色系の模様も見栄えよく再現されていました。CMYK印刷は画面上のRGB色すべてを再現できるわけではありませんが、今回の印刷物は鮮やかさと落ち着いたおしゃれなマット感を両立していました。
暗部の色とコントラスト
赤いフードは鮮やかですが、黒髪などの暗部では階調がややまとまり、細部を見分けにくい部分があります。色鮮やかなシーンでは十分きれいな一方、暗い写真や繊細な肌の階調では銀塩プリントの方が有利だと感じます。
イラストは美しい
今回、写真以上に印象的だったのがデジタルイラストです。空のブルー、岩山のグリーン、明るい黄系の光が美しく、マットな用紙の風合いとイラストの線・色面がよく合うと感じました。
写真の自然な階調だけでなく、輪郭線の明瞭さや大胆な配色を楽しみたい作品集なら、ARTBOOKは有力な選択肢です。
「自動補正」はあり・なし、どっちが良い?
富士フイルムの編集ツールには、写真の明るさや色合いを調整する自動補正機能があります。今回は同じイラストを「補正なし」と「補正あり」で印刷し、スキャンして比較しました。
まずはイラスト全体の比較です。左が補正なし、右が補正ありです。
補正ありは髪やドレスの濃い部分が締まり、ピンクの濃淡が強く見えます。一方、補正なしは明るめで、淡いピンクや肌色が自然に残っています。今回のイラストでは補正をかけることで必ずしも明るくなるわけではなく、暗部が強調されました。
さらに、瞳と髪の輪郭を同じ部分で拡大比較します。
どちらにも網点が見えます。補正ありでは瞳の暗い部分や髪の線が強調されますが、補正によって印刷機の解像度が変わるわけではありません。変化したのは元画像の明暗・コントラストです。
| 比較項目 | 補正なし | 補正あり |
|---|---|---|
| 全体の印象 | 明るめ・柔らかい | 濃淡が強い・やや暗め |
| ピンクの髪や衣装 | 淡い部分が残る | 濃い部分が強調される |
| 瞳や輪郭 | 柔らかな描写 | 暗い輪郭がくっきり |
| 今回おすすめしたい用途 | イラスト・レタッチ済み画像 | メリハリを強めたい写真など |
色を自分で調整したイラストやレタッチ済み写真は「自動補正なし」を基本にするのがおすすめです。暗い写真は補正ありで改善する場合もありますが、今回のように暗部が強くなることもあるため、仕上がりを確認して使い分けましょう。
製本の品質
FUJICOLOR ARTBOOKは、二つ折りの紙を中央でホッチキス留めする中綴じ製本です。
写真館のアルバムのような合紙綴じとは異なり、紙を軽くめくれて雑誌のような印象です。
本文と表紙は比較的薄く、ページをめくる感触は軽快です。その一方で、折れや角の傷みには注意したいところ。
小さな子どもが繰り返し触る記念アルバムには、丈夫な合紙綴じのハードカバーの方が向いています。
見開き中央は約2mmずれる場合があるので注意
編集画面には、製本時に見開き中央部分が約2mmずれる場合があるという注意が表示されます。左右のページをまたぐ直線や人物の顔を配置すると、わずかなズレが目立つ可能性があります。
中央にまたがる文字・顔・建物の直線などは避けて、空や風景のようにズレが目立ちにくい画像を配置すると安心です。大きな見開き写真を使うなら、中央が多少ずれても自然に見えるレイアウトをおすすめします。
ページ数が多いときはクリープにも注意
中綴じは内側のページほど紙が外にせり出す「クリープ(せり出し)」が起こる構造です。48ページで作る場合などは特に、ページの端ぎりぎりに文字や重要な被写体を置かず、余白を確保しましょう。
紙質・光沢感
ARTBOOKで最も気に入ったのは、マットな用紙のさらさらとした質感です。光沢写真のつるつるした手触りとは異なり、アート雑誌のような落ち着いた風合いがあります。
表紙のツヤ・光沢感→落ち着いたマットな紙表紙
紙製の表紙は反射が強くなく、赤ちゃんの写真の柔らかさがよく出ています。厚いハードカバーのような硬さはありませんが、気軽に手に取りやすいのが魅力です。
本文ページのツヤ・光沢感→さらさらしてイラストにも合う
本文もサラサラとした手触りです。粉体トナー4色印刷の場合、トナーが多く乗る部分には角度によって反射が見られることがありますが、あまり目立たず、全体としてはつやを抑えた上品な仕上がりでした。
富士フイルムは白色度が高く、風合いと色再現に優れた紙と案内しています。今回も白い余白の明るさと、赤やピンクの発色のよさが両立していました。用紙銘柄や坪量については公表情報を確認できませんでした。
編集ツールの対応状況
ARTBOOKはWeb編集ソフトを利用して作成できます。
商品選択画面でARTBOOKを選ぶ
商品一覧から「ARTBOOK」を選び、サイズやページ数を指定します。今回の画面では、縦318×横236mm、24ページ4,980円(税込)と表示されました。
見開きテンプレートは1〜4枚配置から選択できる
「テンプレート」では、1枚配置・2枚配置・3枚配置・4枚配置など、見開きで使う写真枚数に合わせてレイアウトを選べます。同じ3枚配置でも写真の大きさや余白の取り方が異なる複数の候補があり、用途に応じて組み合わせられます。
また、「オブジェクト追加」から、自分でも
1ページにたくさんの写真をレイアウトしたい場合は、富士フイルムのフォトブック ハードカバーやフォトブック ソフトカバーがおすすめです。
アートブックは、お気に入りの写真やイラストを大きく見せる作品集として選ぶと、その魅力を活かせます。
表紙にタイトル・サブタイトルを入れられる
表紙は写真を大きく配置するだけでなく、タイトルやサブタイトルを加えられます。写真集やポートフォリオらしく仕上げたい場合は、余白を活かして文字を入れるとよいでしょう。
装飾機能の充実度
編集画面には「背景」「スタンプ/フレーム」「オブジェクト追加」などのメニューがあり、写真を並べるだけでなく、背景や文字を使ったページを作れます。
上掲の七五三の例は、写真に和風の装飾を組み合わせたものです。写真や背景素材を事前に画像編集ソフトで合成してから配置する方法でも、自由度の高いデザインにできます。
こだわりモードなら細部まで調整できる
パソコンの編集画面には「かんたん」「こだわり」の切り替えがあり、こだわりモードでは配置を細かく調整できます。特にイラストやデザイン作品では、余白・文字位置・写真の大きさが完成度を左右します。
AI自動レイアウトで写真選びを効率化
「AIにおまかせ」機能にも対応しています。写真選びや配置の手間を減らしたい場合は自動レイアウトが便利ですが、作品集では見せたい順序や作品の大きさを最後に自分で調整すると、より完成度が上がります。
コストパフォーマンス
ARTBOOKは2026年10月の価格改定後、24ページ4,980円、36ページ6,530円、48ページ8,080円(税込)です。一般的な小型の中綴じ冊子と比べれば安くありませんが、縦318×横236mmの大判サイズと、上質なマット紙の風合いに価値がある商品です。
印画紙の高精細さや頑丈さで選ぶならハードカバーに軍配が上がります。一方、雑誌のような薄さ・取り回しの良さや、作品のサイズ感を重視する場合はARTBOOKが適しています。印刷方式や用途の異なる商品のため、単純な最安値比較だけで優劣を決めにくいと感じます。
おすすめ用途別レイアウト実例
イラスト・デジタルアート作品集
彩度の高いファンタジーイラストの見開きは、今回特に気に入った仕上がりです。作品の雰囲気をそのまま伝えたい場合は、自動補正をオフにして印刷するのがおすすめです。
写真家・デザイナーのポートフォリオ
1ページに1枚、余白を広めにとると作品が引き立ちます。左右のページを独立させれば、中綴じ中央の約2mmのズレも気になりにくく、作品集らしい構成になります。
七五三の記念写真集
色鮮やかな着物と和風の装飾は、マットな紙にもよく合います。写真の色を重視しながら、雑誌風のレイアウトで残したい方に向いています。
赤ちゃん・子どもの成長記録
赤ちゃんの柔らかな表情や兄弟姉妹の写真もきれいに仕上がりました。ただし、小さな子ども自身が何度もめくる用途なら、ページが厚く丈夫な合紙綴じのフォトブックも検討してください。
富士フイルム ARTBOOKを実際に作ってわかった長所・短所まとめ

- マットな紙のさらさらした手触りが心地よい
- イラスト・デジタルアートの仕上がりがきれい
- 318×236mmの大判で作品を大きく見せられる
- 薄いから収納しやすい
- AI自動レイアウトが利用できる

- 銀塩プリントほど肌や暗部の階調が滑らかではない
- 紙製の表紙はハードカバーに比べて折れやすい
- 中綴じ中央で約2mmのズレが生じる場合がある
- 一般的な小型の冊子型フォトブックと比較すると価格は高め
- イラストや補正済み写真では自動補正の設定確認が必要
画質だけでは銀塩プリントのフォトブックに及ばない部分もありますが、紙の風合い・大判の迫力・イラストの見栄えではARTBOOKならではの魅力があります。
FUJICOLOR ARTBOOKのよくある質問
Q. ARTBOOKは銀塩プリントですか?
いいえ。銀塩プリントの「写真仕上げ」ではなく、「印刷仕上げ」です。今回の実物を拡大すると、CMYK粉体トナー印刷の網点状の構造が確認できました。
Q. イラストを印刷するとき、自動補正は必要ですか?
自分で色を調整したイラストなら、基本は自動補正なしがおすすめです。今回の比較では補正ありの方が髪や衣装の暗部が強まりました。
Q. 見開き中央に写真を配置しても大丈夫ですか?
風景などであれば大胆な見開きも楽しめます。ただし公式編集画面では約2mmのズレが案内されているため、人物の顔・文字・まっすぐな線は中央をまたがないように配置するのがおすすめです。
まとめ|FUJICOLOR ARTBOOKはマット紙とイラストの美しさが魅力
富士フイルムの「FUJICOLOR ARTBOOK」を実際に作ってみて、特に気に入ったのは迫力のある大判サイズと、さらさらとしたマット紙の質感、イラストの鮮やかでシャープば仕上がりでした。
800dpiスキャンで細部を拡大すると網点が確認でき、銀塩プリントのような滑らかな連続階調とは異なります。それでも通常の鑑賞距離では十分にきれいで、印刷ならではの味わいも楽しめます。
補正あり・なしの比較では、イラストは補正をかけると暗部が強くなりました。色合いを自分で調整した作品は「補正なし」を基本にするとよいでしょう。
記念写真の画質や丈夫さを重視するなら富士フイルム ハードカバー、写真・イラストを大きくおしゃれな作品集として残したいならARTBOOKがおすすめです。

