富士フイルムが提供するフォトブックシリーズの中でも、「フォトブック ソフトカバー」は安価で気軽に作れて持ち運びやすいフォトブックです。
ハードカバーほど“かっちり”した本にしたくないけれど、スマホやPCの中に写真を眠らせておくのはもったいない。そんな方にぴったりです。
今回は実際に「フォトブック ソフトカバー」を注文し、画質・製本・コスパの面から詳しくレビューしてみました。
これまで多数のフォトブックを試してきたフォトブックマニアが、メリット・注意点両方をあげて本音で解説します。
※富士フイルムのフォトブックは、カメラのキタムラなど他サイトでも販売されていますが、富士フイルム直営サイトが一番安く購入できます。
↓富士フイルムのフォトブック全6種類を比較したい方はこちら
→ 富士フイルムのフォトブック全6種の口コミ・比較
一見して普通のソフトカバーに見えますが、写真本やパンフレットとしてのきれいな外観を生み出す工夫がこらされています。

富士フイルムのフォトブック ソフトカバーは、980円から作れる手軽さが最大の魅力です。
一見すると一般的なソフトカバーですが、実際に手に取ると数百円のソフトカバーとは違う上質感があります。その秘密は、表紙の内側に綴じられたエンボス加工の厚手特殊紙「遊び紙」です。
このような仕様のソフトカバーフォトブックは他社にはなかなかありません。
安価なソフトカバーでありながら、写真本やパンフレットのようなきれいな外観を生み出す工夫がこらされています。
画質については、粉体トナーの4色印刷のため、銀塩プリントのフォトブック ハードカバーと比べると明らかに劣ります。しかし、上質なマットコート紙を使用しているため、同じ印刷方式で凸凹質感のある用紙を使うPhotoZINEよりは写真の発色が良く、日常のスナップ写真には十分な画質です。
編集ソフトはハードカバーと同じものが使えるため、スタンプや文字入れなどの装飾も自由自在。AI自動レイアウトや共同編集機能も使え、スマホからでも編集できるのが便利です。
富士フイルムのフォトブック ソフトカバーを実際に作ったレビュー・評価

メール便で注文しました。(メール便なら送料無料です。)

袋の内側にはプチプチ緩衝材が全面に貼られており、配送中の破損や水濡れからしっかり保護されています。

画質【写真の精細さ】

富士フイルムフォトブックソフトカバーは、業務用レーザープリンターによる粉体トナーの4色印刷です。白色度の高いマットコート紙が使われています。
印刷機について公式サイトには、以下のように記述があります。
「フォトブック ソフトカバー」の出力は富士ゼロックスのフルカラーオンデマンド印刷機による印刷出力になります。
画質は銀塩プリントの「フォトブック ハードカバー」と比べれば見劣りしますが、トナーのノリが良い「マットコート紙」を使用しているため、同じ印刷方式で凸凹質感があるタイプの用紙を使用するPhotoZINEよりは写真が精細です。また、他社の粉体トナータイプの激安フォトブックと比較すると色斑が少ないです。
低価格より高画質を求めるなら富士フイルムハードカバー(銀塩プリント)を選びましょう。
安価なので、日常的なスナップ写真で作るフォトブックにはおすすめです。
画質【発色の美しさ】

色の再現性では銀塩プリントに劣り、若干くすんだ印象になる場合があります。
ただし、白色度の高い紙を使用しているため、同じ粉体トナー印刷のPhotoZINEと比較すると明らかに発色が良好です。ソフトカバーは平滑な紙面でトナーが均一に定着するため、発色が鮮明です。
また、他社の安価な粉体トナー印刷と比較すると、富士フイルム独自の印刷技術により、同じ印刷方式でも発色が良いことがわかります。
日常のスナップ写真や記録用途であれば、十分実用的と言えるでしょう。
製本の品質

富士フイルムのソフトカバーは、並製本・無線綴じという一般的なソフトカバーの製本方式です。
無線綴じは、本文ページをまとめて背の部分を接着剤で固める製本方式です。そのため、合紙綴じの「フォトブック ハードカバー」のように180度フルフラットには開きません。

ページを大きく開こうとすると背の部分に負担がかかるため、見開き中央部の写真は若干見づらくなります。レイアウトする際は、中央線を避けて写真を配置するのがおすすめです。

最大の特徴は、表紙の内側に綴じられた厚手のエンボス特殊紙「遊び紙(見返し遊び)」です。8枚の薄い本文用紙(16ページ分)を挟んで、左右に分厚い特殊紙の遊び紙(見返し遊び)がありました。
凸凹質感のあるエンボス系特殊紙です。若干黄味を帯びています。
エンボス加工面を内側にし、二つ折りにされています。並製本のフォトブックの本文を、前後から挟むことにより厚みを与え、補強にもなっています。
上質感と、ボリュームを与えて華奢な冊子にしないための工夫だと思われます。
このような仕様のソフトカバーフォトブックは珍しいです。

端だけ表紙の裏と接着されていて、開くと非接着面が少し膨らみます。

表紙はPP加工がされていて丈夫ですが、本文用紙と同程度の薄めの用紙ですから、厚手の特殊紙が本文を保護する役目も担っています。

遊び紙のエンボス加工面の裏側は、何も加工されていない平滑面です。

裏表紙にはバーコードとロゴが印刷されています。

ページ数が最小の16ページでも厚みのある角背の冊子に仕上がっています。
紙質・光沢感
表紙のツヤ・光沢感→マットPP加工でさらさら

表紙はさらっとした質感で、マット(つや消し)PP加工がされています。
さらさらとした質感で、光沢のある表紙と比べて指紋や皮脂汚れが目立ちにくく、普段使いに適しています。また、光の反射が少ないため、蛍光灯や日光の下でも写真が見やすく、表紙の写真をしっかり鑑賞できます。
PP加工により表面が保護されているため、傷がつきにくく、水や汚れにも強いのが特徴です。安価なソフトカバーでありながら、マットPP加工のおかげで安っぽさを感じさせない、落ち着いた上品な仕上がりになっています。
本文ページのツヤ・光沢感→印刷のある部分に控えめなテカリ

本文ページの用紙は、マットコート紙ですが、粉体トナー印刷の特性として、トナーの乗っている部分(印刷のある部分)に控えめなテカリがあります。
これは粉体トナー印刷特有の質感で、銀塩プリントのハードカバーとは明らかに異なります。銀塩プリントは用紙全体が均一な「半光沢」ですが、ソフトカバーは印刷部分だけが微妙にツヤを帯びるため、写真と余白部分で質感の差が生まれます。
光の当たり具合によっては、このトナーのテカリが目立つことがあります。特に濃い色や黒が多い写真では、トナーが厚く盛られるため、表面の凹凸感やテカリが顕著になります。一方、余白部分や白い部分はマットな質感のままです。
ただし、他社の安価な粉体トナー印刷と比較すると、トナーの盛り上がりはとても目立ちにくいです。
このトナー特有のテカリは、好みが分かれるポイントです。写真集のような高級感を求める方には物足りなく感じるかもしれませんが、日常のスナップ写真であれば気にならないレベルでしょう。どうしても気になる方は、銀塩プリントの「フォトブック ハードカバー」か「フォトブック リング」を選ぶことをおすすめします。
編集ツールの対応状況
| 編集ソフト | ブラウザ版ソフト![]() |
ブラウザ版ソフト![]() |
アプリ フォトブック 簡単作成タイプ |
|---|---|---|---|
| 編集方法 | オンラインWEB編集 | オンラインWEB編集 | スマホアプリを インストール |
| 対応OS | iOS / Android | Windows / Mac | iOS / Android |
| 対応ブラウザ | iOS:Safari Android:Google Chrome |
Google Chrome Microsoft Edge Firefox Safari ※Macはsafariのみ対応 |
– |
| 特徴 | ・AI自動レイアウトができる ・スタンプ充実 ・写真加工充実 ・テキスト/スタンプを 自由な位置にレイアウト可能 |
・AI自動レイアウトができる ・スタンプ充実 ・写真加工充実 ・写真/テキスト/スタンプを自由な位置にレイアウト可能 |
・自動レイアウトができる |
| 公式サイト | 編集を試す | 編集を試す | 編集を試す |
富士フイルムのフォトブック ソフトカバーは、スマホオンライン編集ツール、PCオンライン編集ツール、スマホアプリに対応しており、さまざまな環境で手軽に編集できます。

スマートフォンでは、アプリをインストールせずにブラウザ版編集ツールで作成可能。アプリによりスマホの容量を増やさずフォトブックを作成できます。
パソコンからも、Windows・Macのどちらにも対応したブラウザ版編集ツールを利用できます。
スマホのブラウザ版と同じデータを共有できるため、たとえば「パソコンでレイアウトを作り、スマホから写真を追加する」といった使い方も可能です。
基本的な編集機能はスマホ・PCともに共通ですが、スマホ版では写真を自由な位置に自由な大きさで配置することはできず、豊富なテンプレートの中から選択して作成します。
さらに、共同編集機能もも搭載されており、家族や友人と写真を持ち寄って一冊のフォトブックにまとめることも可能。
多様な環境に対応しているため、自分に合ったスタイルで自由にフォトブックを作成できます。
詳しい編集方法は以下の記事にまとめています。
装飾機能の充実度

富士フイルムのブラウザ版編集ソフトは、背景選択、スタンプの種類、ページレイアウトのテンプレートなど、装飾ツールの多様性が非常に高いです。
装飾方法や、詳しい編集方法は以下の記事にまとめています。
コストパフォーマンス
富士フイルムのソフトカバーは、現在のところ「フォトブックお試しキャンペーン」により145×145mmサイズ・16ページが通常1,480円のところ980円で作れます。
しまうまプリントなど激安価格の他社と比較すると少し高めに感じるかもしれませんが、富士フイルムは表紙の内側にエンボス特殊紙の「遊び紙」が付いており、製本クオリティが高いです。
980円でありながら上質感があり、薄っぺらい印象を与えません。
編集ソフトも充実しています。AI自動レイアウト、豊富なスタンプ、多彩な写真加工など、ハードカバーと同じ高機能ツールが使えるのも魅力です。他社の格安フォトブックや無料フォトブックは、編集機能や写真掲載数が限られていることが多く、この点は大きなアドバンテージです。
富士フイルム フォトブック ソフトカバーを実際に作ってわかった長所・短所まとめ
- 凸凹質感のあるエンボス系特殊紙の遊び紙がある。他社のソフトカバーにはなかなか無い仕様で上質感がある。
- メール便で送料無料
- 現在キャンペーン中で1冊通常1,480円のところ980円で作れる
- 白色度の高いマットコート紙で発色が良い
- 共同編集ができる
- AI自動レイアウト・自動写真選択ができる(顔認識可能)
- 自由編集の機能が充実した編集ソフト
- 多彩な写真加工がある
- 多彩なスタンプがあり、スマホからも装飾できる
- 1冊最大5,000枚の写真を入れることができる
- 画質は銀塩プリントのハードカバーに劣る(粉体トナー4色印刷のため)
- 無線綴じのため180度フラットに開かない(中央部が見づらくなる)
- 全ての写真の自動補正があらかじめ「オン」になっているため、補正したくない写真は「オフ」にすることを忘れずに。
富士フイルムのフォトブックソフトカバーは、現在キャンペーン中で980円、しかもメール便送料無料という圧倒的なコストパフォーマンスが最大の魅力です。 画質は粉体トナー4色印刷のため銀塩プリントのハードカバーには劣りますが、他社の同価格帯ソフトカバーと比較すると、エンボス系特殊紙の遊び紙による上質な製本と、富士フイルム独自の印刷技術と白色度の高いマットコート紙による発色の良さが際立っています。
編集ソフトも高機能で、AI自動レイアウトや豊富なスタンプ、多彩な写真加工など、ハードカバーと同等の機能が使えます。無線綴じのため180度フラットに開かない制約はありますが、日常のスナップ写真や旅行の記録をまとめるには十分です。 毎月の子どもの成長記録や、気軽に何冊も作りたい方、初めてフォトブックを試してみたい方に最適な商品です。
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