今回は、オリジナルの冊子の印刷を検討している方々に向けて、6つの印刷業者で冊子のサイズ・ページ数・部数・綴じ方を揃えて比較しました。選び方のポイントも解説していますので、印刷業社・商品選びの参考になれば幸いです。
目次
冊子印刷おすすめ5社 比較一覧表
印刷サイト名 | ラクスル |
ちょっと印刷.com | グラフィック |
しまうま出版 | |
---|---|---|---|---|---|
冊子印刷の特徴 | 最短当日納品! オンデマンド最安級! |
オンデマンドが 安い! |
少部数を 手軽に作れる! |
オプションが 豊富! |
7色印刷も選択可能 |
【価格例(税込)】 ソフトカバー A5サイズ フルカラー 無線綴じ冊子 24ページ オンデマンド 100部の最安価格 |
18,267円〜 |
20,569円〜 | 21,230円〜 | 23,450円〜 | 54,000円〜 |
送料 | 無料 | 無料 | 1,760円 | 無料 | 690円 |
発送日 | 当日〜10営業日 | 1〜7営業日 | 9営業日後 | 2〜11営業日 | 1週間程度 |
公式 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※最新の価格は公式サイトにてご確認ください
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冊子印刷の選び方のポイント5つ
冊子印刷を選ぶ際に気をつけたいポイント5つを解説します。
冊子の綴じ方の種類
冊子印刷に多く用いられる綴じ方は無線綴じと中綴じです。
冊子のページ数と用途に合った綴じ方を選びましょう。
- 無線綴じ:卒業文集、カタログ、同人誌、作品集、など
- 中綴じ:フリーペーパー・説明書・パンフレット、会社案内 など
無線綴じ
無線綴じは、本文の背の断裁面に製本糊を塗布して表紙に接着する製本方法です。作業が簡単で低コストであること、折り丁(16ページ分を両面印刷して折りたたんだ本文用紙)だけでなく折られていない用紙にも対応できることから、比較的に安価な冊子を中心に多用されている製本方法です。
かつての無線綴じは、使用する製本糊(通称・ホットメルト糊)の性質からページが脱落しやすく、見開きページの開きが悪い(のど元部分まで開かない)という弱点がありました。現在のホットメルト糊ではページ脱落の欠点が改善されているようですが、ページの開きの悪さは今も変わりません。
中央部分は見えずらいので、レイアウトには注意が必要です。
中綴じ(通称・ホチキス製本)
表紙とすべての折り丁や二つ折りの本文用紙を重ね合わせ、表紙側から針金(ホチキスの針)で綴じ合わせる製本方法です。
出版物ではもっとも単純な製本方法で時間もかからないため、中綴じの冊子は大部数の週刊誌、コミック誌、グラビア雑誌やパンフレットなどの定番スタイルとなっています。
ただし、冊子の厚さには限界があり、ページ数の多いものや厚手の本文用紙を使用するものには向きません。
印刷方式は?
冊子印刷の印刷方式には、主にオフセット印刷とオンデマンド印刷があります。
オフセット印刷
オフセット印刷は大部数の印刷を行う最に主流の印刷方式です。CMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の 4色インキを使用した網点印刷が基本です。ひとつの印刷面を印刷するために CMYK各色の網点(ドット配列)の版を作成し、それを使って 1枚の紙にひと送りで 4色を重ね刷りします。
オフセットの印刷機には、枚葉紙(既定サイズの断裁紙)に印刷する枚葉機とロール紙を使用する輪転機があります。
パンフレットなどの冊子や比較的少部数のチラシなどは枚葉機が適していますが、大量印刷する折込チラシや新聞、雑誌などは高速で印刷できる輪転機が適しています。いずれの場合も、オフセット印刷は部数が多いほど用紙代を含めた単価が安くなり、逆に小部数の印刷は割高です。
画質は、一般的なオンデマンド印刷(粉体トナータイプの業務用レーザープリンターによる網点印刷)と比較すると、オフセット印刷の方が綺麗です。
オンデマンド印刷
オフセット以外の少部数・短納期に対応できる印刷です。少部数・短納期の印刷なら、印刷方式に関わらず「オンデマンド印刷」と記載されることがありますが、冊子やチラシ等の印刷に限れば、一般的に「業務用レーザープリンターによる網点印刷」を「オンデマンド印刷」としている業者が多いです。
※オンデマンド印刷 print on-demand とは直訳すると「需要に応じた印刷」という意味です。
オンデマンド印刷は版をつくる必要がないため、部数が少ない場合はオフセット印刷より安いですが、大部数の場合はオフセット印刷の方が安くなる場合があります。数百部まではオンデマンド印刷、それ以上はオフセット印刷と、印刷機を変えている印刷業社も多いです。
オンデマンド印刷(業務用レーザープリンターによる網点印刷)の中でも、粉末状の粉体トナーを使用する機種と、液体インク状の液体トナーを使用する機種があります。
液体トナーの印刷機(デジタルオフセット)は画質に優れ、高級なオフセット印刷にも匹敵するほどの美しい写真印刷が可能です。自然な肌色のモデル写真やシズル感のある食品写真など、色や質感の表現にこだわるチラシに最適です。
粉体トナーの印刷機は、画質の点で液体トナーにはかないません。しかし、印刷コストが比較的に安いので、印刷画質よりもコストパフォーマンスを重視するスーパー・量販店のチラシや広告予算が限られている小規模経営のショップのチラシなどに向いています。
※個人的に1冊だけ作ってみたい場合はフォトブックサイトも検討しましょう。
冊子の用紙
用紙の違いによって冊子の雰囲気が大きく変わります。用途に合った用紙を選びましょう。
コート紙
コート紙とは、上質紙や中質紙に顔料系の白色塗料を塗った塗工紙のことです。片面印刷用の片面コート紙と両面印刷ができる両面コート紙があります。
また、コート面の光沢の強さによって、光沢のある塗料を塗ったグロスコート紙(光沢紙)と光沢を抑えた塗料のマットコート紙に分けられます。
ただし、印刷業界で単に「コート紙」といったときは、グロス系のコート紙を指す場合が多いようです。これは、職場や取引上の慣習によるものと思われます。
コート紙(マットコート紙を含む)の冊子での用途は、上質紙をベースとした上質コート紙が書籍のジャケット、ファッション誌・インテリア雑誌など月刊誌の写真ページ、高級なパンフレットなどに使用されます。
中質紙ベースの中質コート紙は、コミックスのジャケット、週刊誌の表紙などに使われます。
また、書籍の帯にはカラーコート紙がよく使われています。
マットコート紙
光沢を抑えたマット系の塗料を塗布したコート紙のことです。光沢が弱いので文字が読みやすく、写真は発色が抑えられ、紗がかかったようなニュアンスのある上品な写真になります。
冊子での用途としては、上質・中質を問わず、高級感のある書籍のジャケットやパンフレットによく用いられます。
上質紙
化学パルプ 100%の洋紙で表面に塗料が塗られていない非塗工紙です。パルプとは木材の繊維を漂白した製紙原料のことですが、木材を化学薬品で加熱分解してできるセルロースだけのパルプが化学パルプです。上質紙ではきれいな同質の繊維だけが均一に絡み合うことで、強度と腰があり、不透明度も高い紙になります。
ちなみに、薬品を使用せず、木材を砕いて磨り潰すことで繊維にしたパルプを砕木パルプといいます。繊維が破砕されて不均一になり、セルロース以外の成分も多く含まれるため、製紙原料としては化学パルプより品質が劣ります。化学パルプが 70%以上で砕木パルプを混合した印刷紙のことを中質紙といいます。
上質紙の主な用途は印刷用紙です。冊子では月刊誌の本文にもっとも多く使われます。書籍の本文は同じ化学パルプ 100%の非塗工紙でも上質紙より価格が割高で淡いクリーム色をした書籍用紙が一般的ですが、上質紙が使われることも珍しくありません。コミックス(マンガ単行本)でも本文を上質紙にしているものがあります。
上質紙の印刷用紙としての欠点は、非塗工紙であるため表面にパルプが剥き出しになっていてインクが滲みやすいことです。そのため、色再現性や精細さが求められる写真印刷には適しません。
冊子のサイズ
サイズの違いによって、入れられる内容量が変わります。小さいサイズにたくさんの文字を入れると読み取れませんので、用途に合ったサイズを選びましょう。
A4(210㎜×297㎜)
A4サイズは、パンフレット、写真集、論文、ノート、などもっとも身近でイメージしやすいサイズです。
文字だけでなくイラストや写真も入れる場合、A4なら1ページに多くの情報を入れることができます。
B5(182㎜×257㎜)
A4よりひとまわり小さいB5サイズは、週刊誌、雑誌、同人誌、マニュアル本などによく使われているサイズです。
大きすぎず小さすぎず、イラストや写真を入れる場合にも使いやすいです。
A5(148㎜×210㎜)
A5サイズは、教科書、問題集、学術書、同人誌、などによく使われるサイズです。
一般的なコミック用本棚にも収納でき、持ち運びにも便利です。
B6(128㎜×182㎜)
B6サイズは、単行本に多いサイズです。
A6(105㎜×148㎜)
A6は文庫本のサイズです。単行本よりも一回り位小さいサイズになります。
納期
印刷通販サイトで冊子印刷を注文する際の料金は、基本的に納期が遅いほど安くなります。
翌日発送や即納の場合、1週間以上の納期では倍以上値段が変わる場合もありますので、納期による値段の違いを必ずチェックしましょう。
冊子印刷おすすめ6社
特急印刷プリントライダー
プリントライダーは、今回比較した条件では冊子印刷最安のサイトです。
特にオンデマンド印刷の安さに驚きました。
また、納期を早くすると価格は上がりますが、当日発送が可能ということに驚かされます。都内(東京23区)なら18時までに入稿が完了すればバイク便による当日納品もできます。宅配便による低料金の通常出荷(全国)でも最短翌日発送ですから、最速であることは間違いありません。
また、A4冊子なら中綴じ・無線綴じが1部から注文でき、B5~文庫サイズは3部から注文できます。冊子物の製品見本やプレゼン資料を作る場合も、コピーセンター並みの手軽さで利用できて便利です。
料金は、納期が遅いほど安くなります。
A4・中綴じの場合、通常の翌日出荷を6営業日出荷にすると、ほとんどの部数で33%OFF(なぜか10冊注文だけが66%OFF)になります。
A4・無線綴じの通常出荷なら、翌日出荷を10営業日出荷まで遅らせることができ、10営業日出荷の料金はすべての部数で64%OFFです。
数百部程度までの小部数印刷ならたいへんお得で便利な印刷サイトです。
【特急印刷プリントライダーの公式サイトはこちら】
https://printrider.jp/
ラクスル
ラクスルの冊子印刷は、製本方法が中綴じと無線綴じ並製本の2種類です。サイズの種類は多く、中綴じが A3 から CD サイズまで 12 サイズ、無線綴じが A4、A5、B5、B6 の 4 サイズです。
中綴じは最小部数 100 部(一部は 10 部)から、無線綴じはオフセット印刷が 50 部から、オンデマンド印刷が2部から注文できますが、1冊だけ注文できる「おためし冊子印刷」という有料サービスがあります。サイズ、ページ数、用紙種類などが限定されているので、希望通りの冊子が選べないかもしれませんが、試し刷りや製品見本として1冊だけ格安価格で注文することができます。(※同一原稿で2部以上は注文できません。)
入稿データは、Office の Word、PowerPoint のファイルに対応していますが、アドビ系は Ai だけです。
【ラクスルの公式サイトはこちら】
https://raksul.com/
グラフィック
グラフィックの製本方法は、中綴じと無線綴じ(並製本)の2種類です。無線綴じは本文の背を断裁するタイプではなく、折り丁の背に切れ込みを入れて製本糊を塗布する網代綴じですから、丈夫な冊子が仕上がります。対応サイズは A3 から CD サイズまで 12 サイズです。
グラフィックは、ホームページの説明内容がよく整理されていて、センスよく読みやすい解説文にまとめられているので感心します。面倒な作業が必要なデータ入稿についても、データの作り方や大切なチェックポイントについて丁寧に解説されています。
入稿データの種類は、Ai、Ps のほかに Id や QuarkXPress にも対応していて、プロニーズにしっかり応えられるサイトです。また、姉妹サイトのグラフィック・ビズが Word、Excel、PowerPoint、PDF のファイルで入稿できますから、ビジネス関係のほか、趣味、同人、学校関係などの幅広い冊子印刷のニーズにも対応しています。
【グラフィックの公式サイトはこちら】
http://www.graphic.jp/
ちょっと印刷.com
ちょっと印刷は、簡単な冊子印刷が中心のサイトです。オフセット印刷7種類、オンデマンド印刷4種類のアイテムがリリースされていますが、その内5アイテムは1種類の印刷用紙を二つ折りで最大4枚重ねてホチキスで綴じたステッチ本と綴じずに新聞のように折り重ねただけのペラ本という簡易折り冊子です。
他の6アイテムは中綴じか無線綴じで製本された冊子ですが、5アイテムは本文がスミ1色(白黒印刷)の読み物や論文、報告書などのための冊子です。表紙・本文ともにフルカラー印刷の冊子は、オンデマンド印刷・無線綴じの オンデマンド フルカラー小冊子 というアイテム1種類だけです
【ちょっと印刷.comの公式サイトはこちら】
https://www.rakuten.co.jp/chotto-print/
しまうま出版
しまうま出版で冊子印刷ができるのは「フォトブック」だけです。フォトブックは写真集としての利用を前提に作られていますが、アート作品や手工芸品の作品集として活用することもできます。
しまうま出版はしまうまプリントの関連サイトです。しまうまプリント同様、Webブラウザで1ページごとにレイアウトを選ぶことができますから、冊子編集ソフトがない方にとって手軽で便利な機能です。
他の冊子印刷会社と違うところは、
・DreamLabo5000 7色印刷の高画質タイプ(商品名:プライム)が選べる
・綴じ方は無線綴じのみ
・裏面にバーコードが印刷されてしまう
・他の印刷業者と比較して高め
高品質なDreamLabo5000 7色印刷の高画質タイプを選ぶことができるので、プロのカメラマンが写真集を作りたい場合におすすめです。
ただし、7色印刷タイプは高額で、他社と同等の4色印刷タイプの場合でも他社より高額な料金設定になっています。
また、裏面にバーコードが印刷され、これは冊子のデザインの自由度に影響を与える可能性があります。
高画質な写真やグラデーションの美しいグラフィックデザインを用いた本を印刷する際に、その色の豊かさと細部の鮮明さを最も求める場合には、しまうま出版の「商品名:プライム(DreamLabo 5000 7色印刷)」が適しています。
【しまうまプリントの公式サイトはこちら】
https://www.n-pri.jp/photobook/